香川が痛感した自身の課題
およそ1ヶ月ぶりとなるブンデスリーガの試合。ウインターブレイク中にスペイン合宿で2つの練習試合をこなしたが、その「リズム」と「テンポ」は、やはり“本戦”とは異なるものだ。ボルフスブルクの繰り出すダイナミズムーー守から攻への切り替えは、少し「試合勘」の薄れたBVBの選手たちにとって、厄介なものだったに違いない。そして先発の「メンバーも多少なり代わった」。“初戦”でドルトムントのギアが上がらなかった要素は、いくつか存在したのだ。
後半に入ると、ドルトムントは相手をゴール前に押し込んで、敵陣でボールを回せるようにはなった。48分と54分に、決定機も作り出している。しかし、最後の最後を決め切れないのは、前半と変わらなかった。
“低速ギア”で攻め続けたBVBは、ボルフスブルク戦を0-0のスコアレスドローに終えた。
香川は「アイデアがなかった」と言う。
「ただ単調なクロスというものに最後は特に終始したので、やっぱりそこのアイデアを出す意味ではやはり自分自身がそこを担わなきゃいけないですしね、そこは次の試合に向けて、もう少しやはりリスクを犯さないと、個人的には、怖い存在にはなれないと思っています」
改めて問われる、背番号23の果たすべき役目。
「最後の3分の1、相手が疲れている後半の中でどれだけ、あそこで、狭い局面でボールを受けることがやはり、何より、ビッグチャンスを生み出す、やはり、1つの持ち味だと思うんで、ビッグチャンスを生み出す(ことが自分の)1つの持ち味だと思うので、あのバイタルでどれだけ顔を出していけるかっていう意味では、もっともっとこだわって行く必要がある」
“規律の問題”でなくとも、コンディションの問題などで、これからもオーバメヤンが不在の試合が出てくる可能性はある。そしてエースFWがいる、いないに関わらず、「怖い存在」となることができるか。試合中に、低速から高速にギアを上げることができるのか。
香川真司の“後半戦”が始まった。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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