アシスト以外にも、CKから好機を演出
前半の半ばには左足の柔らかいクロスボールをファーサイドから飛び込むエリック・アギーレに合わせ、GKにビッグセーブを強いるシュートを演出。2点目の起点となったプレーは本田らしかった。右のややインサイド寄りでタメを作り、追い越すラウール・ロペスにタイミングよくショートパスを通した。
流れからのチャンスメークでも本田は持ち味を発揮していたが、今回注目したいのが1点目をアシストしたCKだ。
この試合で本田は6回のCKを蹴っているが、このアシスト以外にもファーの折り返しからのヘッドがクロスバーに当たるシーンを演出するなど、安定して可能性のあるボールを蹴ることができている。
技術の高い選手が多いパチューカでも継続してキッカーを担当することで感覚が掴みやすくなっていることは確かだろう。
本田が右サイドで自身の仕掛けから獲得した右のCK。ニアの味方に合わせたボールは惜しくも相手DFにクリアされたが、二度目のキックが同点ゴールをアシストした。
パチューカはボックス内に5人の選手がおり、アメリカは5人のマンツーマンとニアに2人のストーン。そしてゴール前にアルゼンチン人GKのアグスティン・マルケシンが構えていた。
パチューカの選手が1人ニアサイドにポジションを取ることで、アメリカの3人のディフェンスがニア、中央では4対4という状況で本田が左足を振り抜くと、パチューカはさらに1人がニアに動き、その裏に生じたGKの手前のスペースでムリージョが曲がり落ちるボールに合わせた。
パラグアイ代表センターバックのブルーノ・バルデスもムリージョに付いていたが、ちょうどGKと重なってしまい、ムリージョは実質的にフリーで合わせることができた。
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