FIFAランキングが重視される労働許可申請の“推薦”条件
GBEとは「Governing Body Endorsement(ガバニング・ボディ・エンドースメント)」のことで、管理機関の承認を意味する。すなわち、イングランドフットボール協会(FA)が井手口の実績を国際的な水準にあると認め、クラブが英国の内務省に労働許可証を申請するに値する選手であると保証したことになる。
FAが発表している資料によると、上記の“水準”は「各ステークホルダー(FA、プレミアリーグ、イングリッシュ・フットボールリーグ(2~4部)、プロサッカー選手協会、スコットランドFA、ウェールズFA、アイルランドFA)と内務省が議論を重ねて同意した」と記してある。それでは具体的な判断基準とはどんなものなのだろうか。
最も重要なのは、当該選手が代表する国がFIFAランキングで50位以内に入っていること、さらにその選手が代表の一員としてどれほど試合に出場しているかだ。前述の資料によると
・ランキング1~10位の国は、過去2年間の国際Aマッチの公式戦で30%以上の試合に出場
・ランキング11~20位の国は、過去2年間の国際Aマッチの公式戦で45%以上の試合に出場
・ランキング21~30位の国は、過去2年間の国際Aマッチの公式戦で60%以上の試合に出場
・ランキング31~50位の国は、過去2年間の国際Aマッチの公式戦で75%以上の試合に出場
を満たしていれば、自動的に条件をパスしたと見なされる。ちなみに、当該選手が21歳未満の場合は対象期間が12ヶ月間に短縮され、有能な若手にとって不利にならないよう配慮がされている。なお、日本はFIFAランキングで57位(2017年12月現在)と上記の条件を満たしていないが、近い将来に50位以内に復帰すると見られているようだ。
例えば2017年1月に当時19歳で晴れてマンチェスター・シティの一員となったガブリエル・ジェズスは、ブラジル代表デビューこそ2016年9月1日だったものの、すぐにレギュラーを獲得して同年に行われた国際Aマッチ12試合中6試合に出場。50%以上の試合に出場し、FIFAランキング2位(2017年1月当時)のブラジル代表選手に適用される条件を満たしてGBEが下りている。