ベトナムが追いかける日本の若手育成システム
横浜FCは今大会、日本人らしいハードワークと高い組織力のサッカーで観客を魅了した。過去2大会で見せたパフォーマンスは、攻撃的でスピーディーな展開を好むベトナムのサッカーファンにとって、非常に好感の持てる内容だった。
昨年の大会では、 “ベトナムのメッシ”ことグエン・コン・フオンら、現在のA代表の主力を多く擁するU-21ホアン・アイン・ザライ(HAGL)の3連覇を阻んで優勝を決めたということもあり、ベトナムにおいて、横浜FC U-21は既に一目を置かれる存在だったが、今回、若手の登竜門と考えられる同大会を制したことで、日本の選手育成に対する関心が一層高まっている。
長年、八百長やラフプレーが横行してきたベトナムサッカー界では、将来的な発展のためには、サッカーの技術だけでなく、見識と道徳を併せ持った選手を育てることが重要と考えられており、10年ほど前から若手育成に力を入れ始めている。
ベトナムには、グエン・コン・フオン(元水戸)を育てたHAGL、ライアン・ギグスをアカデミーダイレクターに招いたPVF、“ベトナムの英雄”レ・コン・ビンを輩出した“サッカー王国ゲアン”のソンラム・ゲアン(SLNA)、あらゆるカテゴリーの国内大会で常に優勝争いに絡んでくるハノイFCをはじめ、特に育成に注力しているクラブが幾つかある。
ベトナムサッカー関係者の中には、日本の若手育成システムこそベトナムが目指すべきものと考えている者も多いようだ。
今大会の各賞の受賞チームおよび受賞者は以下の通り
優勝:横浜FC U-21(賞金1万2000USドル)
準優勝:U−21ベトナム選抜(賞金7000USドル)
3位:U-21ミャンマー代表(賞金5000USドル)
フェアプレー賞:U-19ベトナム代表(賞金3000USドル)
最優秀選手:齋藤功佑(横浜FC)
最優秀GK:市川暉記(横浜FC)
得点王:松岡瑠夢(横浜FC、4ゴール)
(取材・文:宇佐美淳【ベトナム】)
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