早くも決勝トーナメントを見据えるベルギー国内
目標:ベスト4
ノルマ:ベスト8
「運に恵まれた抽選」(デ・モルヘン紙)、「準々決勝進出は義務」(ヘット・ニーウスブラット紙)などと、クレムリンでの抽選会後のベルギーメディアは楽観的な見出しが踊った。それも無理はない。先ずグループリーグの初戦はパナマ、2戦目はチュニジアが相手だ。ベルギーメディアは「グループリーグの最初の2戦でベスト16進出を確定し、3戦目のイングランド戦はグループGの1位・2位決定戦となる」と目論む。
決勝トーナメント1回戦の相手は、グループHから勝ち上がったチームとなる。つまり、ポーランド、セネガル、コロンビア、日本のいずれかだ。「この相手なら、ベルギーは勝たないといけない」というのが、ベルギーメディアの共通理解である。
つまり、ベルギーにとっては準々決勝から「本当のワールドカップ」だ。ヘット・ニーウスブラット紙は「準々決勝の相手はブラジルか、それともドイツか」という大見出しを付けている。
こうして伺えるのが、ベルギーにとってノルマはベスト8、目標はベスト4進出であるこということ。かつての名選手、マルク・デフリース氏はヘット・ラーツテ・ニーウス紙に寄稿するコラムに「出来ればブラジルよりドイツと準々決勝で当たりたい。ネイマールを筆頭にブラジルの個の力はすごく、ドリームチームだ。ブラジルが相手だろうと、ドイツが相手だろうと、ともかくベルギーはピークに来ないといけない」と記す。
デフリース氏によると、準々決勝でベルギーの鍵となるのが「アザールとデ・ブライネが共に爆発すること」「センターバック勢が怪我なくプレーできること」の2点だ。
マルティネス監督は主に3-4-3,3-4-2-1フォーメーションを採用している。アザールはチェルシーと同じように、左サイドからフリーロールの役割を与えられており、ドリブル、スルーパス、シュートといった試合を決定付けるプレーで魅せる。
デ・ブルイネは右サイド、もしくは中盤でプレーし、得点に直接絡むプレーのみならず、攻守の切り替え時の戦術的な動きでもキーマンになる。アザールとデ・ブルイネの2人はポジションチェンジで近寄って素晴らしいコンビネーションを披露し、さらにウイングバックのカラスコ(チャドリ)、ムニエ、ストライカーのルカクを輝かせることも出来る。
センターバックの層の薄さはベルギーのアキレス腱。負傷の多いコンパニーに計算が立たない中、レギュラーと目されるのはアルデルワイレルト、ヴェルマーレン、フェルトンゲンの3人。そのうち一人でも欠けると、ベルギーの守備力は一気に下がってしまうだろう。
(文:中田徹)
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