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代表 7年前

欧州予選10戦10勝、進化する前回王者ドイツ。最強の“パーフェクト・フットボール”【ロシアW杯全32チーム紹介】

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by 本田千尋 photo by Getty Images

最低でもベスト4がノルマ。FWにはニューヒーロー誕生の予感

ドイツ代表のフォーメーション。(W杯欧州予選ノルウェー戦時)
ドイツ代表のフォーメーション。(W杯欧州予選ノルウェー戦時)

ノルマ:ベスト4
目標:優勝

 ロシアW杯本大会でグループFに入ったドイツ代表は、メキシコ、スウェーデン、韓国と同居。組み合わせが決定した後で、ヨアヒム・レーヴ監督は「特に驚きはしなかったが、このグループは軽く考えてはいけない」と感想を述べた。

「初戦」で当たるメキシコには、“Bチーム”で臨んだ6月のコンフェデレーションズ杯で4-1と勝利しているが、指揮官は北中米の雄の「戦術バリエーションと柔軟性」を警戒。「どのチームにとっても初戦はそんなに簡単ではない」と決して気を緩めない。

 また、スウェーデンと韓国についても、「決勝トーナメントに進むために持てる力の全てを注いでくる」と独自の理論を展開。レーヴ監督は、大会全体を通してチームの状態を上げていくことを考えている。

 2大会連続での優勝を狙うドイツ代表がピークを持っていくのは、決勝トーナメント以降のことだ。コンディションが上がり切っていない状態でグループステージを戦うことは、世界王者であっても「簡単ではない」のだろう。ブラジルW杯ではグループGの第2戦でガーナに苦戦。2-2のドローに終わっている。

 とは言え、ドイツ代表が欧州予選で発揮したパフォーマンスを考慮すれば、グループFは当たり前のように勝ち抜くだろう。目標はあくまで優勝。最低でもベスト4がノルマだ。

 EURO2016を終えて、若手が徐々に台頭。フランスで開催されたビッグトーナメントに招集されたレロイ・ザネやヨシュア・キミッヒだけでなく、同年の8月に銀メダルを獲得したリオ五輪組からは、二クラス・ジューレ、レオン・ゴレツカ、ユリアン・ブラントといった選手たちが代表に食い込んできた。

 コンフェデ組からは、セバスチャン・ルディ、ラース・シュティンドル、サンドロ・ワーグナーといった遅咲きの新参者たちが台頭。11月に行われた親善試合では、負傷離脱していたイルカイ・ギュンドアンが復帰する一方で、マルセル・ハルステンベルクが初招集となるなど、新戦力の発掘はまだ続いている。

 候補者の層は4年前よりも厚い。最終メンバーをどのようにするか、レーヴ監督は、本大会直前までとことん頭を悩ませることになりそうだ。

 そんな中でも要注目は、ティモ・ヴェルナー。16年7月にVfBシュトゥットガルトからRBライプツィヒに移籍すると、堅守速攻スタイルに上手くハマってブレイク。昨季はブンデスリーガで31試合に出場し、21ゴール7アシストと爆発した。

 一瞬でDFラインの背後を取る抜群のスピードはもちろん、決して打点は高くはないが、ヘディングでも得点を決めることができる。21歳の“新型FW”はレーヴ監督に、ポゼッション型だけでなく、状況に応じてはカウンター型の選択も可能にするだろう。ニューヒーロー誕生の予感。来たるロシアの地では、得点王を争っているかもしれない。

(文:本田千尋)

【了】


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