周囲の予想を裏切った4年前。当時とメンバー構成もほぼ変わらず
【コスタリカ代表】
FIFAランキング:26位(2017年12月)
監督:オスカル・ラミレス(2015年~)
2大会連続5回目の出場
最高成績:ベスト8(2014年ブラジル大会)
北中米カリブ海予選2位通過
2014年ブラジル・ワールドカップでイタリア、ウルグアイ、イングランドと同居する“死のグループ”を首位で突破し、最終的にはベスト8進出の快挙を成し遂げたコスタリカ代表。ロシア大会に向けた北中米カリブ海地区予選では4次予選から登場し、4次予選を5勝1分け、最終予選は4勝4分け2敗と危なげない戦いを見せ、2位で本大会出場権を獲得した。
指揮官は14年当時のホルヘ・ルイス・ピントから、パウロ・ワンチョペを挟んでオスカル・ラミレスに替わっているが、戦い方に大きな変化はない。フォーメーションは5-2-3という一風変わったスタイル。
最終ラインはセンターバック3人がゴール前を固め、両サイドバックは攻撃に転じた際には高い位置を取り、3-4-3に近い形になる可変システムだ。ポゼッションへの志向は高いものの、攻撃が威力を発揮するのはカウンターを仕掛けた時が多い。
マルコ・ウレーニャやジョエル・キャンベルといったスピードに優れた選手、そしてブライアン・ルイスやクリスティアン・ボラーニョスといった機を見た攻撃を仕掛けられる選手を前線に擁しており、ボールを奪った際に中盤を省略して一気に前線に供給すれば、彼らのプレーが得点をもたらしてくれる可能性は一気に高まる。
また、最近は“高さ”も武器にしており、最終予選では196センチの長身を誇るセンターバックのケンダル・ワストンがヘディングで2ゴールを決めている。ボランチのセルソ・ボルヘスもヘディングの強い選手だ。ボラーニョスやキャンベル、ルイスらは精度の高いキックを蹴れるため、セットプレーは大きなチャンスになるだろう。
懸念は選手層の薄さだ。主力の顔触れはブラジルW杯の頃からあまり変わらず、若手の突き上げも少ない。招集メンバーも、毎回同じような顔ぶれだ。組織力や連係力が深まっており、チームとしての完成度が高まっている、というポジティブな見方もできるが、主力にケガ人が出てしまうことを想定すると不安が付きまとう。
実際、ブラジルW杯の時には、大会直前に不動のエースストライカーだったアルバロ・サボリオが負傷してチームから離脱するという事態に見舞われた、この時はキャンベルがセンターフォワードとしての適性を見せ、ウレーニャがスーパーサブとして力を発揮したことが躍進に繋がったが、この時も選手交代の選択肢が限られている感は少なくなかった。本大会までの約半年間でどれだけ戦力を上積みできるかが課題となる。