前橋育英が高校選手権初優勝【写真:Getty Images】
【流経大柏 0-1 前橋育英 全国高校サッカー選手権 決勝】
8日、第96回全国高校サッカー選手権の決勝が埼玉スタジアム2002で開催された。
決勝進出を果たした2チームは、千葉県代表の流経大柏と群馬県代表の前橋育英の2校。第86回大会以来10年ぶりの優勝を狙う流経大柏と、悲願の初優勝を狙う前橋育英による関東勢同士の対決となった。
流経大柏はここまで4試合を無失点と鉄壁の守備を見せて勝ち進んできた。一方の前橋育英は、準決勝の上田西戦で6点を奪うなど、4試合で計15ゴールを記録。7ゴールで得点ランク首位を独走するFW飯島陸を中心として破壊力を見せてきた。
その飯島は前半27分、CKからのこぼれ球を強烈なミドルシュートで狙う。わずかにクロスバーの上に外れたが観客席を沸かせた。さらに前半アディショナルタイム、エリア内右サイドに侵入した飯島が放った低いシュートは、惜しくも左ポストを叩いて先制点ならず。
前半を両チーム無得点で折り返し、勝負は後半へ。64分には準決勝で2得点の前橋育英MF五十嵐理人のシュートがクロスバーに弾かれる。一方の流経大柏も反撃に転じ、交代出場のMF石川貴登のシュートなどでゴールを脅かす。
80分には前橋育英がCKから波状攻撃を仕掛け、立て続けに3本の決定的なシュートを浴びせるが、流経大柏はフィールドプレーヤー数人がゴールをカバーして死守。今大会無失点の堅守を発揮してゴールラインを割らせない。
そのまま延長戦に突入するかに思われたが、後半アディショナルタイムに劇的な展開が待っていた。飯島がGKを釣り出して振り向きざまに放ったシュートはDFの必死のブロックに阻まれたが、こぼれ球を2年生FW榎本樹がシュート。土壇場で前橋育英が先制点を奪い、流経大柏にとっては今大会初失点となった。
これが決勝点となり、前橋育英が1-0で勝利。昨年の決勝での敗戦の悔しさを乗り越え、群馬県勢としても初となる優勝を成し遂げた。
【得点者】
90+2分 0-1 榎本樹(前橋育英)
【了】