あの「バイキング・クラップ」がロシアの地で見られるか
ノルマ:1勝
目標:決勝トーナメント進出
中盤にG・シグルズソンとグンナルソン、最終ラインには経験豊富なR・シグルズソンという要を擁するが、一方で前線に中心となる選手がいないのが気がかりだ。
予選ではA・フィンボガソンやホドバルソンがおもにスタメンで出場したが(ともに6試合)、いずれも高パフォーマンスを披露したとは言いがたい。好不調の波が激しいのも不安材料だ。
そうなると、ひとりの点取り屋の復帰が待たれる。フランスのナントに所属するコルベイン・シグソルソンだ。昨年のEUROでは世紀のアップセットとなったイングランド戦での決勝ゴールを含む2得点をマーク。オランダリーグ在籍時にはAZとアヤックスでそれぞれ1シーズン二桁得点を記録した。
その得点感覚には疑いの余地はないがキャリアを通じて怪我に悩まされており、今予選は出番がなく、現在もリハビリ中だ。ハルグリムソン監督が「長くて厳しい負傷離脱を乗り越えて、どのように復活するか楽しみだ」と期待を寄せる27歳のストライカーが代表に復帰すれば、チームの得点力アップに期待が持てる。
本大会ではアルゼンチン、クロアチア、ナイジェリアが同居する厳しいグループに入った。だが「W杯出場は終わりではない」とハルグリムソン監督が話せば、G・シグルズソンも「決勝トーナメントに進出するチャンスはある」と意気込む。
対戦する相手はいずれも格上なだけに1勝すれば成功と言えるかもしれない。とはいえ、チーム力と安定感ではこの3ヶ国を上回っているだけに、何が起こるかわからない。2016年のようなサプライズを提供することは十分可能だ。
選手とサポーターが一体となったあの「バイキング・クラップ」がロシアの地で何回見られるか、楽しみだ。
(文:鈴木肇)
【了】
★W杯予選まとめはこちら★