流通経済大柏のU-17日本代表DF関川郁万【写真:佐藤博之】
第96回全校高校サッカー選手権大会の準決勝が6日に行われ、栃木県代表の矢板中央に1-0で勝利した千葉県代表の流通経済大柏が10年ぶりの決勝進出を果たした。
優勝すれば10年ぶり、田口泰士(現磐田)や大前元紀(現大宮)、比嘉祐介(現東京V)、中里崇宏(現横浜FC) らを擁した伝説の代以来のこととなる。彼らはインターハイとの二冠を達成していたが、今年のチームも同じ二冠を狙う。
2年生ながら主力として戦うDF関川郁万は「3年生とできる最後の試合なので、すべての思いをぶつけたい」と意気込む。さらに「準優勝で終わっても負けは負け、1回戦での負けと同じなので、優勝しないと意味はない」と自らに言い聞かせるように語気を強めた。
決勝の対戦相手、前橋育英とは現チームで3度対戦した。昨年夏のインターハイでは関川の決勝ゴールもあって勝利しているが、高円宮杯U-18プリンスリーグ関東では4月のホームゲームで0-3、9月のアウェイゲームで2-3と負け越している状態。このままでは終われない。
「やっぱり最後は勝って終わって、2勝2敗で選手権を優勝できたら最高ですし、監督に選手権10年ぶりの優勝をプレゼントしたいですね」
関川は恩師でもある本田裕一郎監督について「自分、監督が好きなので」と明かし、「ラスト1年ありますけど、(日本一の)チャンスがすぐそこにあるので、目の前の戦いをモノにして、監督をもう1回胴上げしたい」とインターハイに続く二冠への決意を語った。
厳しい指導で知られる本田監督だが、関川によれば「いつも優しく接してくれる」といい「好きに理由はないと思う。恩返しというか、監督を喜ばせたいといつも思っている」とも。5日の選手権準々決勝・長崎総科大附属戦では先制点を決めた後、真っ先に本田監督の元へ駆け寄って喜びを表現していた。
「前橋育英は力のあるチームなので、しっかりゼロで抑えて、無失点優勝できたら」
流経大柏にとって10年ぶりの選手権制覇、インターハイとの二冠、無失点優勝、本田監督への恩返し…様々な思いを胸に秘める関川は、前橋育英打倒に燃えている。
(取材・文:舩木渉)
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