W杯は重要。だが「いまは目の前のひとつずつを大事に」
小林は幼少期におけるファーストインパクトがいかに重要かを知っている。
「たくさんの大人にお世話になってきましたけど、一番最初は松木安太郎さんのサッカー教室かな。小学生低学年の頃です。松木さんが勢いよくボールを奪いにきて、チョロッと股抜きをしたのを憶えています。そういった楽しい記憶はいつまでも残る」
2017‐18シーズン、現時点で小林は18試合すべてにスタメン出場。第6節のヴィレムⅡ戦では鮮やかなミドルシュートを突き刺し、今季初ゴールを挙げている。そして、いよいよ来年はワールドカップイヤーだ。
「成長の手応えは感じています。サッカー以外、人間的な面でもそう。オランダにはさまざまな人種がいて、広いマーケットがある。多くの出会いに恵まれ、人の輪が広がっていくのが楽しいですね。
自分にとってワールドカップは重要に違いないですけど、いまは目の前のひとつずつを大事にしていきたい。代表に継続的に必要な選手となれるように、じっくり取り組んでいきます」
ピッチ内外で、自分の器を大きくしようとする小林の試みは、はたしてどんな実をつけるのか。2017年は東北の雪景色と湯煙で幕を閉じ、年が明ければまた新たなチャレンジが始まる。
(取材・文:海江田哲朗)
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