「地元の方々と協力して進めることに意義や価値がある」
積雪による交通機関の乱れで小林らの到着時刻が遅れ、打ち合わせなしのぶっつけ本番となったが、4名の指導スタッフは勝手知ったる仲だ。高野に加え、キローラン木鈴・菜入の東京Vユース92年組が援軍に駆けつけた。
「おれのやろうとすることをわかっているから、何も問題はなかった」と小林は語り、息の合ったコンビネーションで子どもたちを楽しませた。
最後、参加者ひとりずつにサインをし、記念写真に収まった小林は気持ちよさそうに額の汗をぬぐって言う。
「初の試みで手探りのところもありましたけど、子どもたちが楽しんでくれたようでよかったです。もっとも、自分と鳴子の関係はこれから。今回のイベントを単発で終わらせるつもりはないんで。5年、10年計画で、スポーツを中核とする地域の活性化に携わりたいとイメージしています」
こうして自らプロジェクトを手掛けるのは、ノウハウを蓄積していくことが目的のひとつだ。
「お金儲けが目的であれば、人のたくさん集まる都心でやればいい。企画運営は代理店に丸投げし、自分はゲストの形で参加すればラクはラクです。やり方は人ぞれぞれですが、自分の場合はそこにあまり魅力を感じないんですよ。
こうして地元の方々と協力し、共同プロジェクトを進めることに意義や価値がある。また、近くにベガルタ仙台があるとはいえ、東京に比べれば小学生がプロ選手と触れ合う機会は少ないはずです。自分の存在がきっかけのひとつになれば」