薬物陽性のゲレーロの処分軽減。W杯出場可能に
目標:ベスト8
ノルマ:1勝
南米予選で結果を出し続けたことでFIFAランキングが上がり、ロシアW杯の組み合わせ抽選の際にはポット2に入って、抽選の結果フランス、デンマーク、オーストラリアと同じグループCに入ることとなった。
12月8日、出場停止処分を受けてニュージーランドとの大陸間プレーオフを欠場していたゲレーロに対して「1年間の出場停止処分」が下されてW杯出場が絶望となり、本大会でのグループステージ突破に黄色信号が灯ったものの、12月20日になって彼への出場停止処分が6ヶ月間に軽減された。
処分が解けるのは来年5月3日で、W杯開幕まで1ヶ月あまりというタイミングだが、彼の存在の大きさを考えると、まず間違いなくW杯出場メンバーに招集されるだろう。
ペルーは総合力で戦うチームだが、それでもゲレーロの影響力は計り知れないほど大きい。彼は強靭なメンタルでチームを導くキャプテンであり、重厚なポストプレーと高い得点力を発揮するエースストライカーであり、ペルーの歴代最多得点記録を保持するレジェンドでもある。
ゲレーロ不在で戦ったニュージーランド戦で攻撃の形を作れず、大苦戦を強いられたことがすべてを物語っている。どのような経緯で処分が半減されたのかは分からないが、ペルーにかかわるすべての人間が胸をなでおろしていることだろう。
ポット2のチームとしては当然ながらグループステージ突破、過去の最高成績であるベスト8(70年メキシコ大会、78年アルゼンチン大会)が目標になるが、何しろ36年ぶりの本大会出場。W杯経験者がいないことを考えると、まず1勝を挙げることに全力を注ぎ、対戦相手への十分な対策を練らなければ、1ポイントも取れぬままロシアを後にする可能性もある。
ゲレーロ以外のキーマンとしては、トップ下のクエバを挙げたい。ブラジルの名門サンパウロで10番を背負っているだけに、攻撃センスは抜群。独力での突破からゴールを奪うこともできるし、スルーパスで決定機を演出することもできる。ゲレーロとの連係にも期待が持てる。
もう一人挙げるとすれば、大ベテランのクラウディオ・ピサーロだろう。存在感やカリスマ性はゲレーロを上回っており、そのゲレーロはこの偉大な先輩とともにW杯の舞台に立つことをモチベーションに南米予選を戦い抜くなど、チームメートからの人望も厚い。代表からは1年以上遠ざかっているが、所属するケルンで継続的にプレーしコンディションを維持すれば、本大会で貴重なオプションになり得る。
(文:池田敏明)
【了】
★W杯予選まとめはこちら★