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代表 7年前

7大会ぶり出場のエジプト、百戦錬磨の監督の下で培った堅固な守備。躍進の鍵握るプレミア勢【ロシアW杯全32チーム紹介】

6月14日に開幕する2018FIFAワールドカップロシア。グループリーグの組み合わせも決定し、本大会に向けて期待感は高まるばかりだ。4年に一度開催されるサッカーの祭典には各大陸予選を勝ち抜いた32チームが参加する。フットボールチャンネルでは、その全チームを紹介していきたい。今回はグループAに入ったエジプト代表を取り上げる。(文:河治良幸)

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by 河治良幸 photo by Getty Images

エジプトを大きく変えたエクトル・クーペル監督

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大注目のモハメド・サラー【写真:Getty Images】

【エジプト代表】
FIFAランキング:31位(2017年12月)
監督: エクトル・クーペル(2015年~)
7大会ぶり3回目の出場
最高成績:グループリーグ敗退(1934年イタリア大会、1990年イタリア大会)
アフリカ予選グループE 1位通過

 アフリカ屈指の強豪国としてネーションズカップなどでは好成績をおさめてきたが、なぜかW杯予選に弱く、90年のイタリアW杯以来、実に7大会ぶり3度目の出場となる。

 エジプトを大きく変えたのは2人の人物だろう。1人は15年の3月から就任したアルゼンチン人のエクトル・クーペル監督。もう1人が予選で5試合5得点をあげたエースのモハメド・サラーだ。組織的な堅守速攻を掲げるクーペルとワールドクラスのスピードと決定力を誇るサラーの相性は抜群で、運命的な出会いと言っても過言ではない。

 2次予選でチャドを相手にアウェーで敗れる最悪の出だしだったが、ホームで4-0と大勝して切り抜けると、グループで1カ国しか本大会の切符を勝ち取れない過酷なレギュレーションにおいてコンゴとのアウェー戦に競り勝った。さらに最大のライバルだったガーナに2-0で快勝し、16年1月のネーションズカップでは準優勝。8月に再開した予選でウガンダにアウェーで黒星を付けられたものの、そこから2連勝でガーナとの最終戦を待たずして出場を決めた。

 ベースになるのは基本ミドルサードあたりに形成する守備ブロックで、予選では1試合で複数ゴールを決められたことがない。プレミアリーグのWBAでプレーするアーメド・へガジが仕切るバックラインと万能型ボランチのモハメド・エルネニーが統率するディフェンスは堅固であり、開催国ロシアや南米の強国ウルグアイを相手にしても、そう簡単には崩されないだろう。

 攻撃は中盤のエルネニーを主な起点として、右を根城とするサラー、トップ下のアブダラー・サイード、大型ドリブラーのラマダン・ソブヒという推進力の高い2列目に手数をかけることなくボールを付け、一気に相手ゴールを襲う。前線でのスタメンが有力視されるアーメド・ハッサンが191cmの高さでクサビのリターンパスをサラーなどに送ることができる。

 二次攻撃になれば、エルネニーや相棒のタレク・ハメドも飛び出してミドルシュートを打つが、サラーをエースとした前の4枚で攻め切るのが基本型と考えて良い。バリエーションとしては左サイドバックのモハメド・アブデル・シャフィが積極的なオーバーラップでクロスを上げる。

 本大会の相手を考えればボールを持つ、見方によっては持たされる時間帯も出てきそうだ。サラーのマークも厳しくなると予想されるため、百戦錬磨のクーペル監督としても、予選以上に攻撃のバリエーションやセットプレーの強化をして本大会に臨みたい。例えば右サイドで予選は主にサブだった右SBのエル・モハマディを試合によってスタメンに使うなどが有効だ。

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