元コートジボワール代表のエマヌエル・エブエ【写真:Getty Images】
かつてアーセナルなどで活躍した元コートジボワール代表DFエマヌエル・エブエが、妻との離婚を巡る争いの末に財産を失い、困窮に陥っていることを告白した。英紙『ミラー』のインタビューに語っている。
エブエは2005年から11年までアーセナルに在籍し、チャンピオンズリーグ準優勝などに貢献。その後トルコの強豪ガラタサライでも5年間プレーした。コートジボワール代表としても2度のワールドカップに出場した主力選手だった。
だが2016年3月にサンダーランドに加入した直後、元代理人とのトラブルにより国際サッカー連盟(FIFA)から1年間の出場停止処分を受けた。兄弟と祖父を亡くしたことによるショックも重なり、「自殺を考えたこともあった」と以前に告白していた。
出場停止処分は解けたが、メンタルの問題のより現在もプレーできない状況だという34歳のエブエは、ベルギー人の妻オーレリーさんとの離婚を巡る争いに苦しんでいるという。ロンドンの自宅も妻に明け渡すことを裁判所に命じられており、「いつ警察が来るか分からない。中にいることを知られたくないから、電気を消して閉じこもっていることもある」とエブエは語る。
自宅以外の財産はすでにほとんど失い、「弁護士を雇い続ける金もない」とのこと。車も妻に引き渡して公共交通機関で移動しており、洗濯機もないため「毎日自分でジーンズや服を洗っている。洗濯や料理や掃除など、若い頃に何でも教えてくれた祖母に感謝している」と話している。
元チームメートのティエリ・アンリ氏などがサッカー解説者として活躍している姿をテレビで目にするのは複雑な思いだという。「ティエリを見ると、彼のために嬉しく思う一方で、自分の状況が恥ずかしくなる。一緒にプレーしたり対戦したりした友人たちをテレビで見るのは辛い」
「もし過去に所属したクラブが助けてくれならすごく嬉しい。若い選手たちを助けられるかもしれない。選手協会は代理人との問題の時にも助けてくれた。大きなものではなくても、何か仕事を貰えれば…」とエブエは、古巣のアーセナルや選手協会などに助けを求めようとしている。
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