がっぷり四つのクラシコ。前半のバルサは沈黙
現地時間23日、バルセロナはリーガ・エスパニョーラ第17節でレアル・マドリーに3-0で勝利を収めた。
伝統の“エル・クラシコ”はホームのマドリーが3失点し屈辱的な敗戦を喫することになったが、後半途中まではそれだけの大差になるとは考えられない展開だった。
マドリーはカリム・ベンゼマとクリスティアーノ・ロナウドを前線に並べる4-4-2を採用。それに対し、敵地に乗り込んだバルサも4-3-3ではなく、中盤をフラットに並べる4-4-2で臨んだ。お互いの布陣が見事に噛み合っていた。
特に中盤の人選も興味深い顔ぶれだった。マドリーがルカ・モドリッチ、カゼミーロ、マテオ・コバチッチ、トニ・クロースとセントラルMF気質の4人を横並びで配置したのに対し、バルサもパウリーニョ、イバン・ラキティッチ、セルヒオ・ブスケッツ、アンドレス・イニエスタと、純粋なサイドアタッカーを1人も置かずに挑んだのである。これまでもバルサが4-4-2的な並びになることはあったが、必ず1人はサイドに突破力のある選手を起用していた。
そしてマドリーはバルサの強みを徹底して消しにかかった。フォーメーションが噛み合ったことも影響したが、中盤より後ろの選手たちはバルサの面々にマンツーマンディフェンスで対抗。動きながらパスを引き出し、ポゼッションを握る相手の「動き」に食らいつき、流動性を消していった。
現にバルサは前半、ほとんど何もさせてもらえなかった。ラキティッチやパウリーニョが立ち位置を入れ替えるなどマドリーのディフェンスを揺さぶろうとはしたものの、どこまでもついてくる相手選手たちの動きに対し、足が止まってしまっていた。
マンツーマンのマークを剥がすためには動き回って相手の布陣のズレを生じさせることもできたはず。それでも丁寧につないで崩すためには適切な選手配置が重要ということもあって、個々の勝手な判断が重なればチーム全体のバランスが保てなくなってしまう。そういった意識と現実のギャップの中で、バルサの選手たちは思考停止状態に陥っていたのかもしれない。