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代表 7年前

上位進出も可能なデンマーク。確立したポゼッションスタイル、浮沈の鍵握る大黒柱エリクセン【ロシアW杯全32チーム紹介】

シリーズ:ロシアW杯全32チーム紹介 text by 鈴木肇 photo by Getty Images

日韓大会以来の決勝トーナメント進出へ。チームの状態は良好

デンマークフォーメーション
デンマーク代表のスターティングイレブン(W杯欧州予選PO第2戦アイルランド戦時)

ノルマ:決勝トーナメント進出
目標:決勝トーナメント進出

 もうひとり、キーマンとしてクリステンセンの名前を挙げたい。チェルシーでビッグネームらとポジション争いを演じる21歳は「ジョン・テリーの後継者」として高い評価を得ている逸材だ。その若さに似合わぬ落ち着き払ったディフェンス能力を考えればDFラインの中心となってもおかしくないのだが、これまでのところ本来の力を代表で発揮しているとは言いがたい。

 3バックを採用した予選前半では4試合で先発したが、4バックに移行してからはわずか2試合の出場にとどまった(うち1試合は不慣れな右サイドバックでプレー)。ハレイデ監督はケアとの相性を考えて、現時点ではクリステンセンではなくビェラン(ブレントフォード/英チャンピオンシップ)をセンターバックのレギュラー候補と見なしているようだ。

 だが、クリステンセンの力を生かさないのは宝の持ち腐れだろう。そこでハレイデ監督が考えているのが、クリステンセンの中盤起用だ。「将来的に複数のポジションを担う選手になると思う。たとえば、守備的MFでプレーする彼を見てみたい」と指揮官は話す。

 クリステンセンは11月30日のスウォンジー戦で45本のパスをすべて成功させるという離れ業をやってのけたことからもわかる通り、ビルドアップ技術に問題はない。中盤の一角として起用するのも面白いかもしれない。

 ハレイデ監督はグループリーグ組み合わせ抽選結果を受けて「満足している」とコメントを残した。優勝候補フランスはともかく、ペルーとオーストラリアには自力で勝っているだけに、2002年日韓大会以来となるグループリーグ突破がノルマだろう。FW陣の得点力不足が解消され、クリステンセンの起用法に目処がつけば上位進出も夢ではない。

 プレーオフ前にケアら主力選手が「W杯に出場できなくても(ハレイデ監督の)続投を望む」と話したとおり、選手と指揮官の関係は良好だ。

「ダニッシュ・ダイナマイト」はロシアの地で爆発するか。

(文:鈴木肇)

【了】

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