実力発揮なら4強入りも現実的
ノルマ: ベスト4
目標: 優勝
フランスサッカー連盟が今大会で最低目標としているのは準決勝進出、つまりはベスト4入りだ。これが達成できればこの大会が『失敗』だったということにはならないボーダーラインで、逆に『大失敗』の烙印を押されるのはグループリーグ突破を逃した場合だ。
グループリーグの対戦相手は、ペルー、デンマーク、オーストラリア。この顔ぶれに「グループリーグ突破は確実」という楽観的な空気も漂っているが、今予選でもフィジカルを武器にがっちり守ってくるスウェーデンには苦戦しており、デンマークは要注意。
また、試合機会の少ないオーストラリアとペルーはほとんど馴染みがない。予選でルクセンブルクに零封されたように、がっちりとした守備ブロックで守られると攻めあぐねることも多々あるため、グループリーグの対戦には注意が必要だ。
とはいえ、選手たちがもつ実力を発揮できれば、次ラウンド突破、さらにはベスト4入りも十分現実的だ。グリーズマンら昨年のユーロ出場メンバーには、準決勝で強敵ドイツを破ったという自信もある。
そのグリーズマンはやはり今大会でもキーマンだ。そして、昨年のユーロの3ヶ月前にA代表デビューした新入りながら、もはやレ・ブルーになくてはならない存在となった中盤のカンテと、今回がビッグトーナメント初出場となる大型新人ムバッペがフランス代表の最注目選手。黒子的な働きで周りうまく活かす器用さがあり、チャンスがあれば自らゴールを射抜けるルマールの活躍にも期待がもてる。
基本フォーメーションは、ジルーとグリーズマンを2トップ気味に置き、カンテとポグバが2ボランチを形成する4-2-3-1。あるいは、中盤にカンテ、ポグバ、マテュイディ、トリッソかラビオら新戦力を加えた三角形を敷いた4-3-3。この場合はポスト役のジルーを外して、攻撃陣はグリーズマンを真ん中に、サイドをムバッペ、コマン、デンベレ、ルマール、マルシャルらが固める布陣になる。
予選で多用するなど、より『定番』なのは4-2-3-1だが、11月のドイツとの親善試合で(2-2)好感触を得た4-3-3も、守備により比重をおいてカウンター攻撃を狙いたい対戦での貴重なオプションだ。
(文:小川由紀子)
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