入場者数の増加。背景にある『DAZN』の存在
ピッチの外における変化を振り返った村井チェアマンは、1ステージ制に回帰させたJ1の平均入場者数が1万8883人と、前年比5.1%の高い伸び率を示したことをあらためて報告した。
トータルの入場者数は577万8178人で、昨シーズンより27万9956人も増加。J1が18チームとなり、年間306試合が開催されるようになった2005シーズン以降では、580万9516人を記録した2009シーズン以来の高い数字をマークしている。
緩やかな上昇傾向にあった入場者数が一気に右肩上がりに転じた背景には、今シーズンからJ3までを含む全リーグ戦を配信している『DAZN(ダ・ゾーン)』の存在に行き着く。開幕直後から好調に推移した数字を、村井チェアマンはこう分析したことがある。
「開幕期において『DAZN』および『DAZN for docomo』がテレビCMなどで集中的にPRを展開しましたが、その際にJリーグの試合映像がかなりモチーフとして出ていたことで、話題が喚起されたと思っています」
1ステージ制の場合、折り返し点となる前後で集客が大きく落ち込む傾向もあった。2ステージ制ではファーストステージの優勝争いとなることで回避されたが、2017シーズンは約3週間のサマーブレイクを設定。ボルシア・ドルトムントとセビージャを招へいした国際親善試合を開催したことで、従来とは異なる形で後半戦への関心が喚起されたとJリーグ側は分析している。
しかし、クラブごとの入場者数を見ると、群を抜く集客力を誇る浦和レッズは昨シーズンの62万7898人から57万215人へ、実に5万7683人も減少した。初優勝をホームの等々力陸上競技場で成就させたフロンターレも、トータルでは37万6305人から37万5910人と395人の微減となった。