痛恨の2失点目。香川もアシストで魅せたが
6分にはフランク・リベリの左からの折り返しから、エリア内でハメス・ロドリゲスにシュートを許し、11分には、この元フランス代表ウィンガーにドリブルからシュートを許す。GKロマン・ビュルキがセーブすると、こぼれたボールを、ロベルト・レバンドフスキが反転してシュート。
バイエルンの猛攻を辛うじて凌いでいたドルトムントだったが、12分、遂に先制点を献上してしまう。ハメスのFKを、ニクラス・ジューレがヘディング。ビュルキが触ってバーに当たって跳ね返ったボールを、ジェローム・ボアテングが頭で押し込む。
それでも0-1のまま前半を終えれば、ドルトムントの背番号23は、チャンスがあると見ていたようだ。
「ただ、慣れてきた後は相手のスピードに慣れて、戦えていたので、そういう意味では後半チャンスがあると思っていたし、ただ前半の最後に1失点っていうのはね、時計を見ながら前半0-1で良いというのは感じていたので、2点目というのは、この相手に対してはやはり難しさを感じましたし、ただ2点差はまだ分からないというのはあったのでね、それを証明したかったですけど、最後のところで決めきれなかったっていうのは、そこは差かなと思いますけど」
34分、シュテーガー監督は、マルク・バルトラに代えて、マハムート・ダフートを投入し、布陣を[4-3-3]に変更。しかし、それから間もない40分、右サイドでトーマス・ミュラーがレバンドフスキとのワンツーでエリア内に侵入。ボールを軽く浮かせて2点目を奪った。
後半は余裕の出たバイエルンが受け身に回り、ドルトムントがボールを回す展開となった。だが反撃は、77分、香川が左からファーにボールを送り、アンドリー・ヤルモレンコが頭で押し込んだ1点に留まった。
終了間際には交代で入ったアレクサンダー・イサクがシュートまで持っていく場面もあったが、ゴールを割ることはできなかった。
怪我人が続出し、オーバメヤンという刀も折れた中で、王者に挑んだドルトムント。全てを出し尽くしたが、あと一歩、及ばなかった。
(取材・文:本田千尋【ミュンヘン】)
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