エース不在のドルトムント。序盤から苦しく…
矢は尽きかけ、刀が折れたボルシア・ドルトムント。12月20日に行われたDFBポカールのラウンド16。対バイエルン・ミュンヘン戦に、でん部を痛めたピエール=エメリク・オーバメヤンの参戦は叶わなかった。様子見だったエースFWは、遠征には帯同したものの、結局のところは欠場となった。
ドルトムントの選手たちの中でも、特に替えのきかない存在。だが、試合後の香川真司が、その不在を嘆くことはなかった。
「もちろん僕たちのチームにとっては特別な選手なので、もちろんそこ(オーバメヤン)のクオリティを欠くのは、こういう特にビッグゲームでは苦しさを感じましたけど。ただ、それを補うために僕たちはやれることはやったし、それはしょうがないこと。その中でもやはり、ドローを含め、延長を含め、そこまでの接戦に持ち込めた。そこを勝ち切れなかった感じです」
絶対的な1トップを欠いたことで、ペーター・シュテーガー監督は[3-5-2]の布陣を選択。香川はトリプルボランチの右に入った。守備時にドルトムントは左右両ウイングバックが下がって[5-3-2]でブロックを形成。カウンターを狙った。
「上手くブロックを作って、ボール獲った後は2トップに近い形で前にいるので、収まりどころは2つあると思ってるし、そこを起点にっていうのは考えていましたけど。それ以上に相手の、特に最初から圧力がすごかった中で、(アルトゥーロ・)ビダルが最初ポスト当てたのがあって、あそこで上手く相手に勢いを与えてしまったかなと。僕らとしては、そこはちょっと出遅れたというか、一歩一歩がやっぱりちょっと下がってしまった」
開始直後から一気呵成にドルトムントを呑み込もうとしたバイエルン。3分、トーマス・ミュラーの右からのクロスを、アルトゥーロ・ビダルがヘディング。クロスバーを直撃する。香川によれば、このチリ代表のシュートで、敵を勢いづかせてしまったようだ。
「やはり剥がす力はみんなが素晴らしいですし、もちろん奪いどころっていうのはこういう戦いになってくるとあんまりないので、辛抱強く相手のミスであったり、ボールホルダーに対してしっかりプレスを掛ける、っていう意味で、やっぱり前半20分は(プレスが)遅れていたからこそ相手に勢いを与えてしまった」