国民に支持され続けてきた“ティキタカ”
【スペイン代表】
FIFAランキング:6位(2017年12月)
監督: フレン・ロペテギ(2016年~)
11大会連続15回目の出場
最高成績:優勝(2010年南アフリカ大会)
欧州予選グループG1位通過
EURO2008、2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)、EURO2012で優勝を果たすなど黄金期を謳歌したスペインだが、その威光は2014年ブラジルW杯、EURO2016での早期敗退によって失われつつある。そして現在、EURO2016終了直後に監督を辞任したビセンテ・デル・ボスケの後を継ぐフレン・ロペテギが、新たな黄金期を生み出すべく着々と準備を進めている。
U-19、U-20、U-21とスペインの年代別代表を率いてきたロペテギは、これまでフル代表を支えてきたイケル・カシージャス、フアンフラン・トーレス、セスク・ファブレガスらの代わりに、イスコ、チアゴ・アルカンタラ、コケら自身が指導してきた選手たちを積極的に登用。しかしもちろん、ルイス・アラゴネスとともにEURO2008優勝を成し遂げて以降、スペインのエッセンスであり続けるポゼッションフットボールは貫き通す。ロペテギは『フットボール批評issue15』の独占インタビューで、次のように語っていた。
「ボールを保持して試合を支配することこそが自分たちのスタイルと定めたのは、スペインという国自体にほかならない。選手たちも国民もそうしてフットボールを楽しむという理解があり、それに逆行する意味が一体どこにあるのだろうか。堅守速攻のスタイルを実践すればファンやメディアのさらなる重圧にさらされることになる。根本的なことを言わせてもらえば、ポゼッションスタイルを好む選手たちを集めた方がスペインは確実に強い」
ロペテギ率いるチームは国民に支持され続けてきた“ティキタカ”と称されるボールに触れる、ボールを回すフットボールを見事に実践。後方から攻撃を構築して、パスをつなぎながら相手の守備陣形を崩し、空いたスペースを突く。そしてボールを失った場合にはすぐさまプレッシングを仕掛け、できるだけ前でそれを取り戻して再び攻撃に転じる。このポゼッションフットボールを可能とするのは、擁する選手たちのクオリティーだ。アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ、イスコ、ダビド・シルバ、コケ、チアゴらは、たとえ相手チームがコンパクトかつタイトな守備を行い、30メートルの幅の中での乱戦を求めようとも、しっかりとボールをつないでいける。