W杯にはせいぜい平均的な期待を抱ける程度
この率直な言葉を快く思わない者もいるかもしれない。だが、圧倒されてしまったことを無条件で認めざるを得ない場合もある。
この大会に向けたメンバーが発表された時点から、盛り上がりも期待感もほとんどあったわけではない。だが3試合(うち2試合には勝ったが、かなりの幸運に助けられたと言わざるを得ない)を戦い終えた今、チームを取り巻く空気はショックと不安に支配されている。
だが実際のところ、今回のチームは日本代表というよりも「Jリーグ選抜」だった。だからといって韓国に敗れたという結果にファンがさほど痛みを感じる必要がないというわけではないが、必ずしもこの結果をW杯の展望に反映させる必要もない。様々な要素を冷静に考慮すれば、いずれにしてもW杯にはせいぜい平均的な期待を抱ける程度だ。
「初戦(北朝鮮戦)を終えたあと、今回のチームを過度に厳しく評価する必要はないと確か言ったと思う。このメンバーでどれほどパフォーマンスを改善することが可能なのかも分からないからだ」とハリルホジッチ監督は話していた。
「この大会には、呼びたくても呼べない選手が10人か11人ほどいた。だがその10人か11人がいたとしても、今日の韓国戦は非常に難しい試合になっていたと思う。受け入れがたいことかもしれないが、認めざるを得ない真実だ」
おそらく65歳の指揮官は冷静な素振りを見せることで、気が抜けて混乱に陥っていた控えメンバーたちを擁護しようとしたのだろう。韓国は確かに印象的な戦いを見せたが、フルメンバーの日本であればもっと力を発揮できたことは間違いない。
キム・シヌクは2メートル近い長身を誇りながらも、2得点のいずれの場面でもマーカーを外してみせた。チョン・ウヨンはセーブ不可能な直接FKを突き刺し、4点目もセットプレーからコースの変わったボールだった。
日本がこの試合に敗れるのが妥当な結果だったことは確かだが、また別の機会に戦えば、たとえ同じメンバーでも点差ははるかに縮まるかもしれない。実際のところ終盤に4-2-3-1に変更してからは、徐々に下がっていく韓国の守備ラインに助けられたとしても、日本はより危険なチームに見え始めていた。