ファーガソン体制後、過去最高クラスの戦績
例年通り、何かと下馬評通りには事が運ばないプレミアリーグ。今季開幕前との違いの1つが、ジョゼ・モウリーニョ2年目に対する期待の収束だ。
監督として第一線で名を成して以来、就任2年目には100パーセントの確率で国内タイトルを獲得してきた指揮官の存在は、間違いなく今季のマンチェスター・ユナイテッドが優勝の有力候補と目されていた要因の1つだった。
2期に及ぶチェルシー時代も例外ではないモウリーニョは、ポルトとインテルでの2年目には、CL優勝まで実現しているのだ。
では、「2年目だから」という期待が薄れる一方のモウリーニョのユナイテッドがダメなのかと言われれば、筆者は「ノー」と答える。
やはり就任2年目で、補強に費やした予算の規模も同規模のマンチェスター・シティを、開幕から無敗で首位を爆走する集団に変えたペップ・グアルディオラの手腕は認めなければならない。
だが、シティの指揮官は、1年目の昨季は無冠でも許され、2年目に向けての補強が自身とクラブに共通の哲学に沿って、ほぼ完璧に進んだ。
対するユナイテッドの指揮官は、CL復帰がノルマだった昨季には、途中からプレミア優勝争いを捨ててCL出場権が得られるEL優勝に向けた戦い方を選ぶことになり、今季も、クラブ伝統の攻撃路線と自身が信じる堅守路線とのバランスを計りながら、各スタイルに向き不向きのある既存戦力と新戦力をミックスして結果を重ねている。
その結果も、悪くはないどころか、「良い」と言えるレベルにある。18節を終えて13勝3敗2引分けという成績は、アレックス・ファーガソン体制後のユナイテッドでは過去最高の前半戦。同様に、計39得点は過去最多で、計12失点は過去最少の数字だ。