4失点のうち3つはリスタートの流れ
E-1サッカー選手権は韓国に1-4と大敗し、優勝タイトルも逃してしまった。メンタル面、戦術面、起用法など、敗因はいろいろ指摘されるが、失点シーンを冷静に検証しておく必要があるだろう。
“急造チーム”のため連係面に不安があるのは分かっていたことだがGK、最終ライン、中盤はこれまでに代表招集がある選手たちだ。
確かに4つの失点のうち3つはリスタートの流れからであり、基本的な守備ブロックの原則から外れた状況ということはあったが、それぞれの時間帯を見ると悪い流れに引っ張られたまま失点に結び付いていることが分かる。
1失点目は開始3分にあまりに理想的な形で先制ゴールを奪ったところから生じた心理的な隙を韓国に突かれたことはいなめない。9分には全体が下がりすぎたところから昌子源のミスをきっかけに大きなピンチになりかけ、その1分後には波状攻撃から左の危険なエリアでFKを与えてしまった。ここは中村航輔の冷静な対応でしのいだが、さらにセカンドボールからイ・ジェソンの危険なミドルシュートを打たれた。
試合後、韓国のMFチョン・ウヨンが「むしろ日本が最初の2分ぐらいで点を取って、下げているかなと感じたので、あまり負ける気はしなかった」と振り返るように、一度引いたところを韓国にどんどん押し込まれて、そのまま同点まで10分間ずっと同じペースで進めさせてしまった。
失点シーンは昌子がボールを右にクリアした直後のスローインからだったが、ここで2つ判断ミスがあった。1つは井手口陽介のポジショニング、もう1つは昌子源の個人戦術のミスだ。
この試合での右サイドバックは本職がCBの植田直通だったが、自陣のスローインに対しては前方の受け手になろうとしていたイ・グノをマークしており、代わりにサイドラインを見るべき選手が足りていなかった。そこから伊東が2対1を作られたところからキム・ジンスのクロスをキム・シンウクに合わされた形だ。