指揮官は日韓W杯のキャプテン
FIFAランキング:23位(2017年12月)
監督:アリュー・シセ(2015年~)
4大会ぶり2回目の出場
最高成績:ベスト8(2002年日韓大会)
アフリカ予選グループD 1位通過
初出場でベスト8に躍進した02年の日韓W杯から4大会ぶりの出場を決めた。チームを率いたのは日韓W杯でキャプテンをつとめたアリュー・シセで、個性的な集団を見事なリーダーシップでまとめた。
セネガルと言えば強力なアタッカー陣が連想されがちだ。確かにディアフラ・サコ(ウェスト・ハム)、ママドゥ・ニアング(トリノ)、ムサ・ソウ(シャバブ・アル・アハリ・ドバイ)、ムサ・コナテ(アミアン)など屈強なFWが揃う。右サイドにはサディオ・マネ(リバプール)、左サイドにはケイタ・バルデ(モナコ)と俊英が揃い、はまった時の破壊力はアフリカ屈指だ。
だが、それ以上に注目したいのが最終予選6試合で3失点というディフェンス。DF出身のシセ監督はしっかり守備から入り、良い攻撃につなげるというアプローチを取っている様子だ。[4-3-3]あるいは[4-1-4-1][4-4-2]を使い分けるシステムにあって、固定的に起用されているのが4バックの陣容だ。
最終ラインは195cmの巨漢DFカリドゥー・クリバリ(ナポリ)とキャプテンのシェイフー・クヤテ(ウェスト・ハム)を中心に、181cmの右SBラミネ・ガッサマ(アナニヤスポル)、俊足の左SBユスフ・サバリーが主力を担う両SBも1対1の強さをベースに相手サイドアタッカーの自由を奪う。
中盤にハードワーカーのイブリッサ・グェイ、191cmのシェイク・エンドイェ(バーミンガム)という特徴のはっきりしたタイプの選手を並べており、より守備的に戦う場合はアンカーに酒井宏樹や清武弘嗣の元同僚である196cmのサリフ・サネ(ハノーファー96)が入る。“デュエル”の強い中盤でボールを奪い、そこからシンプルに前線のタレント力を生かすスタイルを取る。
総合的なタレント力は02年のチームを上回るものがあり、シセ監督がしっかりとマネージメントしているためイージーミスも少ない。イスラム教徒が多く、もともとまじめな国民と知られるセネガルだが、現在の選手たちが子供の頃に英雄となった指揮官の影響力は絶大だろう。
4大会ぶりのW杯本大会となるセネガルだが、ここまでただ眠っていたわけではない。12年のロンドン五輪ではウルグアイを破るなどベスト8に進出。金メダルを獲得するメキシコに敗れたが、その大会を経験したクヤテなどが順調にA代表の中心へと育っている。
前回予選も2次予選を3勝3分でホーム&アウェイ方式の最終予選に駒を進めたが、当時“アフリカ最強”とも言われたコートジボワールと当たってしまい、合計スコア2-4で敗退が決定。この時コーチングスタッフに入っていたシセがそのままチームを引き継ぎ、念願の本大会出場を果たした。