持ち味を発揮しやすいのはインサイド起用か
監督は基本的な設計をするが、試合のコントロールは選手に握られる。
“国内組”の中でもブラジルW杯の経験者で現代表の主力でもある山口蛍、攻撃のオーガナイズに優れる清武弘嗣を怪我で欠いたことは大会を難しくする要因となったかもしれないが、韓国戦は大舞台に飲まれることなく力を発揮できる選手の重要性が浮き彫りになった試合でもあった。
これは同時期に代表から外れている香川真司と岡崎慎司にも言えることだが、コンディションが良好だとしても川島永嗣、吉田麻也、酒井宏樹、長谷部誠、大迫勇也といった選手たちが戦術的なベースとするならば、3人はオプションの選手たちである。
だからこそ若い選手や新戦力が同ポジションでテスト的に起用されている側面もあるだろう。そうした選手とメンバー発表まで、そしてそこで残れたとしても直前キャンプまでレギュラー争いをしていく立場にある。
しかしながら本田のように大舞台で心強い存在になることが分かっている選手は結局、本大会が近づくほど重要度を増して行く可能性が高い。E-1の結果を受け、ニーズはさらに高まったと言えるかもしれない。
ただ、本田の代表での位置付けを考える場合にもう1つ大きなカギを握るのが基本ポジションだ。
クラブW杯の2試合は[4−3−3]の右インサイドハーフに配置されたが、メキシコ国内では右ウィングが多く、ゴールに絡むプレーはサイドからの方が多いぐらいだ。
ただ、これは中盤の3枚がボールをつなぎ、サイドがチャンスの起点として振る舞うスタイルをパチューカが構築しているからであり、“ハリルジャパン”の攻撃スタイル、特に“格上”ばかりが相手となる本大会では様相が異なる。
そうなると南米王者のグレミオ相手にも確かな存在感を示したインサイドハーフあるいは[4−2−3−1]のトップ下といったインサイドのポジションの方が本田の持ち味を発揮しやすいだろう