いいところを探すのが難しいほどのゲーム
9日の北朝鮮戦、12日の中国戦に連勝し、E-1選手権制覇に王手をかけていた日本。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「この大会では韓国が一番強い」と16日の最終決戦前から警戒心を募らせていたが、勢いと一体感が生まれた今の日本代表なら十分戦えると目された。
実際、開始早々には車屋紳太郎(川崎F)のオーバーラップから小林悠(川崎F)が飛び込む決定機を作り、直後には伊東純也(柏)がPKを奪取。これを小林が決めて1点をリードするなど、日本からは高いインテンシティーが感じられた。しかし、よかったのはここまで。直後から韓国の猛攻を受け、一方的に主導権を握られた。
「点取ったから守りに入ってしまうのもあるし、ポジション上なのか分かんないけど、全くプレッシャーがかかんなかった。やってて嫌な感じはすっとしてた」と国際Aマッチ93試合目の今野泰幸(G大阪)が言うように、日本は守備組織が機能せず、ことごとくセカンドボールを拾われてしまった。
守備リーダーの昌子源(鹿島)が「頭を使いながら守らなければいけない」と強調していたキム・シンウク(全北現代)に競り負け1失点したのを皮切りに、日本は失点を重ねていく。
23分にはチョン・ウヨンに芸術的FKを決められ、35分にはキム・シンウクの3点目を奪われる。前者の際にファウルを与え、後者をアシストしたイ・ジェソン(全北現代)のドリブル突破を止められなかった車屋の守備は特にいただけなかった。2失点に絡むミスをしていたのでは、6ヶ月後の2018年ロシアワールドカップへの生き残りは難しい。
彼だけでなく、11月の欧州遠征(ブラジル&ベルギー)に帯同した昌子、井手口陽介、倉田秋(ともにG大阪)ら主軸が軒並み期待外れのパフォーマンスに終わったのも、後半にも1失点を追加し、1-4の屈辱的大敗を喫した一因だろう。
ここまで2戦で好アピールを見せていた今野や小林、中村航輔(柏)らも救世主になり得なかった。日本サッカー協会の田嶋幸三会長が「ひと言、情けない。試合に負ける、デュエルに負ける、それも悔しいことだけど、日本代表選手としての誇りを持っているのか。私自身も久々にこんな(ひどい)試合を見た」と酷評したくらい、いいところを探すのが難しいゲームになってしまった。