韓国とのガチンコ勝負へ。サッカー人生問われる正念場
ハビエル・アギーレ監督体制でも断続的に招集されたが、出場機会はなし。初キャップは2015年3月のウズベキスタン戦(東京・味の素)までずれ込んだ。植田の丸3年までは行かなかったが、代表デビューまで1年、定着まで3年以上の月日を要するのは、やはり選手としては辛いものがある。
けれども、本人は「センターバックは30歳くらいで完成形に近づいていく。自分はまだまだ若い」と長い目で物事を見ることを忘れなかった。こういった落ち着きも紆余曲折を経てきたからこそ養われた。「人生は挫折の連続。そういう中でも最後に勝つのは諦めずに続けた人間」と本田圭佑(パチューカ)も口癖のように言っているが、昌子からもガンバの先輩と同じような匂いが漂ってくる。
韓国とのガチンコ勝負を勝ち抜こうと思うなら、こうしたタフさと粘り強さが必要不可欠。キャプテンマークを巻く人間であれば、なおさらだ。
「チーム全員が今ちゃん(今野)を(キャプテン)適任者だと思ってる」と昌子は謙遜していたが、この男も十分に、チームを鼓舞できる器を備えている。センターバックとしても、196㎝のキム・シンウクが相手だろうが、絶対に負けられない。世界に出ればもっと高いFWはいるのだ。
「単純にヘディングで俺が勝てるかって言ったら、10回中1回勝てるかどうかも分からんし、僕のヘディングボールが向こうは胸かもしれないけど、守り方はあるし、最低限何かをさせないことはできる。僕は正直、高さはあんまり得意じゃないけど、頭を使って対応したいですね」と本人も闘志をのぞかせた。
今回の日韓戦は激動のサッカー人生が問われる正念場。雑草魂を胸に秘めた背番号3がロシアの主力へと成りあがっていく姿をぜひとも見せてほしいものだ。
(取材・文:元川悦子)
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