大一番の韓国戦。零封求められる守備陣
16日の韓国戦(東京・味の素)で、E-1選手権2大会ぶりの優勝に挑む日本代表。大一番を翌日に控えた15日、彼らは非公開で調整し、韓国対策を入念にチェックした。
公開された冒頭15分間では、12日の中国戦で右太ももを打撲し、前日まで別メニュー調整だった伊東純也(柏)も参加。強度の高いウォーミングアップもこなしていて、プレー可能になった様子だ。本人も出場を熱望しており、前回同様、右FWで先発しそうな雲行きだ。となれば、左に阿部浩之(川崎)か土居聖真(鹿島)、トップに小林悠(川崎)という3枚が有力視される。
中盤は中国戦で圧巻のパフォーマンスを見せた今野泰幸と途中出場ながらチームに勢いをもたらした井手口陽介のガンバ大阪コンビの先発が確実。もう1枚は中国戦で小林の先制弾の起点となるパス出しを見せた倉田秋(G大阪)が入るだろう。今野をアンカーに置く逆三角形か、今野と井手口がボランチに並ぶ三角形かは微妙だが、日頃からともにプレーする彼らのコンビネーションが日本代表の力になるはずだ。
そして守備陣だが、中国戦で潜在能力の高さを示した植田直通(鹿島)の右サイドバック連続起用の確率が高まった。センターバックは中国戦で落ち着きを見せた三浦弦太(G大阪)とキャプテンマークを巻く昌子源(鹿島)、左に負傷の癒えた車屋紳太郎(川崎)が戻ってくる見通し。
そしてGKには22歳の若き守護神・中村航輔(柏)が陣取るだろう。いずれにしても、彼らのポイントは196㎝の長身FWキム・シンウク(全北現代)とJリーグで実績のあるイ・グノ(江原FC)をどう封じるか。高さと速さのある2人の点取り屋を完封するためにも、日本守備陣にはこれまで以上の緻密な連係とコミュニケーションが求められる。
リーダー・昌子にとってこの大一番は、単に東アジア王者を狙うだけでなく、ロシア本大会でレギュラーを手にするための大きなハードルだ。10月のニュージーランド(豊田)・ハイチ(横浜)2連戦で槙野智章(浦和)に定位置を奪われた男にとって、韓国戦で相手を零封できなければ、仮にロシアへ行けたとしてもベンチに座る日々を強いられる。それだけは絶対に避けたいと本人も強く思っているはずだ。
「連係面も戦術も向こうの方が理解度が高いかもしれないと(ヴァイッド・ハリルホジッチ)監督も言っていた」と昌子も認める通り、韓国が難敵なのは間違いない。90分の戦いの中には数々の苦しみも伴うだろう。それでも、この男は多少の苦労があってもへこたれない。25年の人生も紆余曲折の連続で、それを力強く乗り越えてきたからだ。