地上波中継はなし。とはいえ日韓戦はどうしても特別に
前述したチャ氏の指摘通り、この大会で勝って、W杯に負けたら意味がない。この大会で韓国は逆に悪いところをたくさん探し、そこを来年の6月までに修正する気持ちで戦っているのかもしれない。直近の2試合は確かにそのようなスタンスが見られた。逆にそこが大会への興味を低下させる要因になっているようにも見える。
またこの大会の熱気を冷ます要因としては中継がないことも挙げられる。日本ではこの大会がフジテレビ系列や衛星放送で伝えられているいっぽう、韓国は今大会の地上波中継が一切行われていない。スポーツチャンネルの「SPOTV」が放映権を持っており、独占的に自社のチャンネルにだけ映像を供給している。
もし地上波で放送していたならこれだけ話題にならないということはなかったはずだ。またオンラインでの無料中継がないのも関心が低い理由の一つ。韓国サッカー協会は韓国最大のポータルウエェブサイト「NAVER」とも協定を結んでおり、NAVERは親善試合やW杯予選を生中継していた。
だが今大会はSPOTVが放映権を独占しており、SPOTVのアプリケーションやチャンネルでしか見られない。スマートフォンやタブレットなどでスポーツを楽しむことが主流となった韓国の状況を考えると、その影響はかなり大きい。
とはいえ最後の試合が日韓戦となると、どうしても特別なことになる。韓国メディア「News1」は14日付の記事で「韓国が日本に勝ったのは、7年前に埼玉で行われた試合が最後。パク・チソンがお散歩をするようなゴールセレブレーションをしたあの試合だ」と意気込んでいる。
確かに韓国はこの試合以来日本に勝てていない。ここで勝てば確固たる話題のネタにはなる。世論の挽回というより、ブームアップを狙っているとすれば、日韓戦での絶対勝利が韓国にとってのノルマかもしれない。
(文:キム・ドンヒョン)
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