GS突破は必須。豪華な顔ぶれ揃え、狙うはベスト4
ノルマ:決勝トーナメント進出
目標:ベスト4
基本フォーメーションは4-2-3-1のファルカオのワントップだが、状況に応じて4-4-2のツートップになる。セカンドストライカーは、本田とともにミランで活躍したビジャレアルのカルロス・バッカを始め、今季セビージャのエースを務めるルイス・ムリエル、サンプドリアの新鋭ストライカーのドゥバン・サパタなど欧州組が控えている。
そのうしろのトップ下にハメス、右には相手陣内を揺さぶれるユヴェントスのドリブラー、クアドラード。左にはアルゼンチンの名門ボカ・ジュニオルで10番を背負うエドゥイン・カルドナが隙を狙って弾丸シュートを放ってくる。
カルドナはトゥーロン国際を制した黄金世代の象徴的存在の1人。メキシコの強豪モンテレイでブレイクし、今季からボカ・ジュニオルスの攻撃的MFとしてチームを牽引している隠れた注目選手だ。ボールを持ちすぎてしまう点があるが、力強いドリブルからシュートまで縦の動きに強く、かと思えばタイミングをずらして緩急のつけたパスを繰り出すことができる。時間と空間の使い方がうまく、ゲームの流れを変えることのできるプレーヤーだ。
攻撃的な部分にばかり目が行ったが、最終ラインも逸材がそろっている。オランダのPSVアイントホーフェンで不動のレギュラーとして活躍を続けるサンティアゴ・アリアスを軸に、来夏バルセロナ入りが内定しているブラジルの名門パルメイラスのジェリー・ミナ、トッテナムのダビンソン・サンチェス、本田圭佑とパチューカで同僚のオスカル・ムリージョなどの名が上がるものの、南米予選ではアリアス以外は完全には固定化されておらず、ゆえにボールを見合わせるシーンもあり、連携には多少の不安が残る。
とはいえ、個々の顔ぶれだけを見るなら、カルロス・バルデラマやアスプリージャなどのタレントを擁した94年のアメリカW杯と前大会のブラジルW杯をも凌ぐ陣容だ。
ペケルマン監督は具体的な目標は口にしていないが、日本との初戦が決まった抽選後のインタビューに「強豪国はいない。悪くないグループ」と答えている。グループリーグの突破は最低限の課題で、前大会を上回るベスト4が目標といったところか。
近年のコロンビアサッカー界は上昇気流を描いている。欧州組の台頭はもとより、ブラジル、アルゼンチン、メキシコの強豪クラブでコロンビア人が中核を担うようになった。現在アルゼンチンリーグ1位のボカ・ジュニオルスには4人、ブラジルリーグ2位のパルメイラスには2人、メキシコリーグ1位のモンテレイには3人のコロンビア人がいる。
この中からも少なからぬメンバーが代表に招集されるだろう。国際的にはまだ研究されていない『南米臭い』彼らのプレースタイルにも日本代表は注意が必要だ。
(文:北澤豊雄)
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