格下相手に大苦戦のインテル。長友PK成功で何とか勝利
セリエAで首位を走るインテルは、3部のポルデノーネに手を焼いた。サッスオーロの下部組織で育ったGKシモーネ・ペリッリの好セーブと、10人が体を張ってゴール前を固める守備を切り崩せない。120分を経過し試合は0-0、PK戦へ突入した。
ミラン・シュクリニアルとロベルト・ガリアルディーニが外し、5人では決まらずサドンデスへ。そして4-4で迎えた7巡目、先攻のポルデノーネのキッカーであるジュリオ・パローディのシュートをGKダニエレ・パデッリがセーブした。インテルの列から歩き出したのは長友佑都。人口25000人のホームタウンから4000人が集ったポルデノーネのサポーター席からはブーイングと、ほかのインテルサポーターからは「ユウト、ユウト」というコールが聞こえた。
「(オーダーは)5番目まで決まってて、それで6番、7番は自分たちで決めた」とは長友の弁。志願して出て行った彼はPKスポットに寄り、ゆっくりと助走を付け、一度足を止めてGKの動きを見る。そして冷静に逆を突き、シュートをゴール左下隅に流した。
2016年3月2日のコッパ・イタリア準決勝ユベントス戦でも長友はPK戦に出て、キックを決めている。
「GKを最後まで見て、決められたと思いますね。2年前にもユーベ戦で決めてたんで」。リーグ戦では4試合出場がなく、5試合ぶりの公式戦出場。120分間の出場の末、最後に回ってきた場面で責任を果たした。
この試合では久々に右サイドバック。この日のタスクは、バランスを取ることだ。前日の記者会見でルチャーノ・スパレッティ監督はダウベルトと、ジョアン・カンセロの先発を明言。
「カンセロについてはサイドバックよりも前のポジションでスタートさせる。両方だと攻撃的になりすぎるから、サイドバック1人が上がったら1人は後ろに残るような形でバランスを取らなければならない」と語っていたが、その役割が長友に課せられた。