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Jリーグ 7年前

川辺駿、磐田で残した103試合の軌跡。名波ジュビロでの3年経て「完成形」へ

text by 青木務 photo by Getty Images

見えないところで続けてきた努力

2016年はJ1復帰1年目となったジュビロのJ1残留に貢献した
2016年はJ1復帰1年目となったジュビロのJ1残留に貢献した【写真:Getty Images】

 攻撃面での質の高いプレーがクローズアップされるが、守備での成長も見逃せない。

 局面で激しく相手に挑めない場面は確かにあった。攻撃から守備への切り替えが遅れた時は、ムサエフの危機察知能力にも救われた。名波監督は何度か叱りつけ、過去には「『お前、国際試合に出たいんだよな? A代表に入りたいんだろ? だったらユニフォームを汚せ』」と説いたことがある。

 次の展開を予測する頭の回転と寄せの速さを活かしたボール奪取は、川辺に元々備わっていた能力でもある。死角から忍び寄って奪いきることに加え、今シーズンは互角の状況で体をぶつけても弾き飛ばされなくなった。

 今年から、チームの練習とは別に取り組んできたことがある。「まあ、影ながらやっているんですよ」と笑う川辺は、こんな話をしてくれた。

「個人的にトレーナーの人に見てもらうようになったんです。週に1回トレーニングしてもらって。3月の終わりくらいからずっとそれをやってきて、本当に成果しかない。今シーズンは最初から試合に絡んでいた中で、夏場以降も落ちずにできたのはそのおかげだと思う。ぶつかっても倒れなくなったり、いいプレーを継続してできるようになったので」

 シーズン中盤での覚醒、年間を通したパフォーマンスの維持は、見えないところで続けてきた努力の賜物だった。だが、理想像には到達していない。あらゆる面でレベルアップをした川辺だが、身につけたものをベースにさらなる発展を遂げるつもりだ。

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