「どんなブサイクな試合でも勝つぞ」
冷え切ったマインツの夜。誰もが“覚悟”を抱いていた。
「どんなブサイクな試合でも勝つぞ」
香川真司によれば、BVBの選手たちは、そう声を掛け合ってゲームに臨んだという。
ブンデスリーガ第16節、対1.FSVマインツ05戦。ボルシア・ドルトムントは、あくまで勝つことで、これまでの悪い流れを変えようとした。背番号23は「それ以外は方法がないと思う」と言う。
ペーター・シュテーガー新監督は、改めて守備の原則をチームに促した。[4-3-3]の布陣の中、右のインサイドハーフで先発出場した香川は、就任して間もない指揮官から「基本的なこと」について話があったと明かす。
「ディフェンスと攻撃の中で、特に守備になったときに、前がハマってなかったら確実にオバが下がってブロック引いて、あんまり行き過ぎないように。しっかりコンパクトにディフェンスを保ったら、行くように、って言われていたので。まあ、それは徹底していました」
相手がボールを持っている時に、プレスが上手く掛からないようだったら、ワントップのピエール=エメリク・オーバメヤンが引いて、しっかりとコンパクトな守備ブロックを形成する。それからまたプレスを掛け直していく。
「後はこういう時だからこそ、特に前半はね、バランスを見ることが大事だなと。失点してしまうと厳しくなるのは分かっていたので。そこはみんながバランスを重視している分、サッカー自体はなかなか展開はなかったんですけど、ただ今のチーム状況を考えた時に、そこを崩すと言うよりは、まずはしっかりとしたポジションをマネジメントしながら、戦って行く、失点をしないようにまずは守備をやっていこうというのはプランとしてありました」