ハリルも絶賛。小林悠は自らの価値を示し続けられるか
ハリルホジッチ監督も「高いレベルで(代表)候補に入ると思う。以前は少し軽かったが、今はかなりアグレッシブに戦えるようになった」と絶賛したように、彼がロシアW杯での1トップ争いの一角に力強く名乗りを上げたのは間違いない。小林の得点をお膳立てした川又も今季のジュビロ磐田移籍で目覚ましい進化を遂げており、彼らの参戦でFWのポジション争いはさらに激しさを増しつつある。
ここまでは大迫勇也(ケルン)が当確で、それ以外の岡崎慎司(レスター)、武藤嘉紀(マインツ)、杉本健勇(C大阪)らが横一線と見られていたが、大迫が肺炎を発症して1月中旬まで離脱を余儀なくされるという事実が判明。
今季ケルンの低迷もあってエースFWの動向も不透明になってきた。武藤もケガで最近4試合は欠場中で、岡崎もクロード・ピュエル新監督就任後は大幅に出場時間を減らしている。一方で、FIFAクラブW杯(UAE)で奮闘中の本田が1トップ要員としてサバイバルに参戦しそうな雲行きもあって、半年後のメンバー構成は本当に分からなくなってきた。
そういう中で、小林がようやく代表初ゴールという目に見える結果を残し、見る者に強烈なインパクトを与えたのは特筆に値する。コンディションを何よりも重視するハリルホジッチ監督にしてみれば、小林がこの好調を維持してくれれば、ロシアに連れて行きたいと本気で考えるはず。そういう機運をさらに強めるべく、背番号11はゴールを重ね続ける必要がある。
さしあたって16日の最終戦・韓国戦だ。目下勝ち点6の日本と同4の韓国との激突はタイトルの懸かる大一番。「チーム一丸となって戦い、チームのために走り続けたい」と彼は語気を強めた。今の小林ならそれだけのタフな仕事が十分にできるはず。最終ラインの昌子源(鹿島)、ボランチの今野泰幸(G大阪)とともに力強く日本をけん引し、川崎Fでの3つのタイトルに続く成果を手にしてもらいたいものだ。
(取材・文:元川悦子)
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