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日本代表 7年前

手痛い大島の負傷。ハリル方式色濃く、W杯メンバー争い激化。だが+αは見つからず【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

失われた新しい試み

前半途中に負傷交代となったMF大島僚太
前半途中に負傷交代となったMF大島僚太【写真:Getty Images】

 急造チームに監督の戦術が浸透してパフォーマンスが改善されたのは喜ばしいが、それはロシアワールドカップとは直接関係がない。小林や伊東らの活躍も、ワールドカップメンバー23人への競争が激しくなったということ以上の意味はない。

 ワールドカップのために今必要なのは、たんにハリルホジッチのチームでプレーできる選手を増やすことではなく、ハリルホジッチのチームに新しい何かを加えることだ。

 その意味でも大島僚太の負傷退場は残念だった。大島がいれば、小林とのコンビネーションをもっとテストできただろう。阿部浩之を途中投入すれば3人、車屋紳太郎を加えれば4人での川崎フロンターレのコンビネーションを使える。

 相手の守備ブロックを崩すために「個」ではなく「連係」という新しい手を加えられたかもしれない。ハリルホジッチ仕様の小林ではなく、川崎フロンターレの小林を機能させることができたかもしれないのだが、その機会は失われてしまった。

 韓国戦は今まで以上に守備力を試される試合になるだろうから、ハリルホジッチ仕様の総決算的な内容になりそうだ。ただ、このチームは今回限り。ワールドカップへの強化の点では新しい発見に期待したいが、なかなか厳しい状況ではある。

(取材・文:西部謙司)

【了】

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