中国代表、リッピ監督就任後は上り調子に
苦しみながらも勝利したEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会(E-1)の初戦、北朝鮮戦から中2日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本代表は中国と対戦する。
中国代表の監督はイタリア人のマルチェロ・リッピ。言わずと知れた世界的な名将で、1990年代にユベントスの黄金期を築くと、2006年のドイツW杯でイタリア代表を24年ぶりの優勝に導いた。
2012年からは広州恒大を率いて、中国勢で初のアジア制覇を果たした。当時のチームはダリオ・コンカなど3人の強力な外国人アタッカーを擁しており、攻撃はほとんど彼らが牽引したが、むしろ驚かされたのは中国人選手たちに組織的なディフェンスを構築させていたことだ。そのベースは現在の中国代表にも表れている。
リッピ監督が中国代表の監督に就任したのは昨年10月22日。ロシアW杯アジア最終予選の第4節でウズベキスタンに0-2で敗れ、1分3敗で最下位に沈んだ責任をとってガオ・ホンボ前監督が辞任すると、中国サッカー協会は広州恒大への復帰で基本合意に達していたリッピ氏を代表に引き入れた。
初戦はホームでカタールと0-0の出足でつまずきかけたが、韓国に歴史的な勝利をおさめるなど6試合で3勝2分1敗。結局、奇跡のW杯予選突破に導くことはできなかったが、リッピ就任後の成績に限ればイランに次ぐ2位で、2勝2分2敗の韓国を上回る。特に6試合4失点の守備は現在アジア屈指だ。
E-1にはGKゼン・チェン、センターバックのチャン・リンペン、フェン・シャオティンというリッピ監督が信頼する広州恒大の3人が参加しておらず、韓国戦でも2-2という結果が表す通り、短期間での守備面の構築には苦労している様子が見られた。前半は2人のセンターバックが長身FWキム・シンウクのマークに忙殺され、2列目からイ・ジェソンやイ・ミョンジュにいいように両脇を破られた。