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日本代表 7年前

ハリルJで経験した屈辱の払拭へ。帰ってきた大島僚太、E-1で示すべき進化した姿

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ハリルJに攻撃のバリエーションをもたらせるか

大島僚太
川崎フロンターレではクラブ初のリーグ制覇に貢献。攻守両面で大きく成長した姿を見せている【写真:Getty Images】

 E-1選手権の強化合宿に入ってからも、彼はハリルホジッチ監督から「ボールをタテに速く出せ」と口を酸っぱくして言われている。長短のパスを回しながらリズムを作る川崎のスタイルとは異なり、今の日本代表はタテへタテへと急ぐ形が多い。それだけに頭の切り替えが難しいだろうが、それをやらなければ生き残れないのは確かだ。

「このチームで求められているのは守備と背後へのパスだと思うので、そこは出たら意識しないといけない。川崎のサッカーを出すところは出さないといけないし、いい意味で忘れないといけないところは忘れないといけない。使い分けをしっかりしたい」と彼自身もやるべきことを脳裏に刻み込んでいる。

 対戦相手の中国は9日の韓国戦を見る限りだと、北朝鮮ほど引いてくることはない。中盤もボールを回す意識が強いため、大島が球際の強さを生かしてボールを奪い、一気にタテヘ展開したり、自ら前線へ飛び出してシュートに持ち込むようなプレーも出せるだろう。

「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)で対戦した時の中国勢は力強さがすごくあった。ボールを持っている時はいいポジションを取って相手に捕まらないことが1つのポイントだと思います」と大島は相手との駆け引きをしながら、優位にゲームを運びたい考えだ。

 そういった頭脳的なプレーで中国を凌駕できれば、北朝鮮戦であまり見せられなかった攻撃のバリエーションを出せるはず。その担い手は間違いなく背番号10をつけるこの男である。

 ロシア行きのラストチャンスと言っても過言ではないこの大一番は絶対に失敗が許されない。UAE戦の屈辱を完全に払しょくするためにも、次なるチャンスでは「以前とは違う自分」を見せること。彼には高いクオリティのパフォーマンスと日本を勝利へと導く明確な仕事を強く求めたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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