2年ぶりの代表戦。「落ち着いてプレーできるようになった」
車屋紳太郎(川崎)の左クロスに鋭く反応してゴール前に飛び込んだ後半ロスタイムのヘディングシュートの場面では得点への凄まじい迫力を感じさせ、さらには終了間際の井手口陽介(G大阪)の決勝弾につながるクロスも上げた。背番号9の存在感は想像以上に大きかった。
「あれはあれでよかったと思います。あそこにしかスペースがなかったんで。クロスも俺のイメージとしては完璧やったし、今ちゃん(今野泰幸=G大阪)に合わせたのも完璧やった。そこでゴールが生まれたのも、ホントにポジティブやった」と本人も嬉しそうにコメントしていた。
以前の彼なら、強引に中へ持ち込んでシュートを打とうとして相手に防がれていたかもしれない。「俺が俺が」というエゴを出しすぎるのが、川又のよさであり、課題でもあった。
代表から遠ざかった2年間を経て、何がチームの勝利のために効果的なプレーなのかを的確に判断できるようになった。そこが最大の成長と言っていい。「いろんな面で落ち着いてプレーできるようになったんじゃないかな」と彼自身も少なからず手ごたえを口にしていた。
もちろんこの時間帯は相手がバテて運動量が落ち、スペースも空いていたから、川又ら途中交代選手はプレーしやすかったはず。頭から出ていた金崎や小林悠(川崎)よりアドバンテージがあったのは確かだ。それを差し引いても、彼が大きな可能性を感じさせたのは紛れもない事実だろう。
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