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規格外の突破力。リバプールFWサラー、スピードに加わった万能性【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

リバプールはうってつけのチーム

 サラーとリバプールの相性はすこぶるいい。ユルゲン・クロップ監督の指向するサッカーにスピードスターは不可欠だからだ。すでにサディオ・マネがいて、サラーとプレースタイルが重なるのだが、マネを左サイドに起用することで解決している。もっともサラーもポジションを選ばない。右サイドが得意だが、左もできるしCFでもやれる。

 クロップ監督のリバプールは基本的にはカウンターを得意としている。MFにボールを刈れる選手を並べ、奪ったら相手ディフェンスラインの背後にフィード、サラーとマネが快足を飛ばせば一気にゴール前だ。ただ、対戦相手もリバプールの武器を熟知している。相手に引かれてスペースを消されたときの攻撃が目下の課題だろう。

 ただ、サラーは速いだけのアタッカーではない。直線を突っ走るスピードは格別だが、狭い地域でもクイックモーションで難なく敵のタックルを外せる。身長と重心の低さがストロングポイントになっているのはメッシと同じ。シュートやパスも非常に正確だ。

 スペースがなくてもコウチーニョとともに、何かを生み出せるインスピレーションを持っている。速攻ではスピード無双のウイング、遅攻ではバイタルエリアでの仕事ができる。現代サッカーで引く手あまたの万能型ウイングプレーヤーといえる。

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