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アジア 7年前

急成長の可能性秘めるベトナムサッカー 。投資ファンド参入、2人のマンUレジェンドも支援

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami

2030年W杯を目指して。“レジェンド”の存在は大きな力に

ポール・スコールズ&ライアン・ギグス
マンUのレジェンドであるライアン・ギグス氏(左)とポール・スコールズ氏(右)【写真:宇佐美淳】

 さらに、同じくマンチェスター・ユナイテッドのレジェンドであるポール・スコールズ氏もテクニカルアドバイザーとして、ギグス氏をサポート。両氏は今後、定期的にベトナムを訪れて、選手や指導者育成、カリキュラム作成などでPVFに協力していくという。

 完成した新センターの総面積は22ヘクタール。敷地内には、国際基準のフルコート7面(天然芝4面、人工芝3面)があり、このうちメインコートは3600人収容のスタジアムとなっている。また、国内初となる人工芝の屋内フルコートも建設。さらには、アジア初の「360S」トレーニングルームを設置。

 ここでは、360度をLED仕込みのゲージに囲まれた中、四方から射出されるボールをコントロールして、指示された場所に蹴り返すという練習を行う。このほか、試合中の選手の動きをGPS機能で分析・データ化するPlayerTekも導入するなど、数々のハイテク機器を練習に取り入れている。

 ベトナム人選手の課題とされるフィジカルの強化については、最新設備のジムとサイエンス・メディカルセンターを完備。居住施設としては、8階建ての選手寮を建設。寮内には、アカデミー生200人あまりが一度に入れる食堂のほか、会議室、娯楽室、図書室、映写室、戦術解析室などがあり、寮の隣には、テニスやバスケットのコートもある。

 一般教養に関しては、ビングループ傘下のビンスクールにて、選手向けの特別カリキュラムが受講できる。

 新センターのお披露目式典に出席したギグス氏は、「PVFアカデミーの施設は、キャリントン(マンチェスター・ユナイテッドの練習場)に勝るとも劣らない素晴らしいものです。ここを巣立った選手たちが、これからのベトナムサッカーの発展に大きく貢献していくでしょう。

 私の目標、すなわちPVFの目標でもありますが、ベトナムが2030年のワールドカップに出場できるよう、多くの優秀なベトナム人選手を育てたいです。そして、いずれは、ヨーロッパで活躍できる選手、マンチャスター・ユナイテッドでもプレーできる選手を輩出したいと思います」と意気込みを語った。

 ベトナム最大財閥ビングループが本気の投資を見せて完成したPVFの新センター。

 ここからアジア、そして、世界へ飛び立つ選手が育つのも、そう遠い未来ではないかもしれない。

(取材・文:宇佐美淳【ベトナム】)

【了】

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