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アジア 7年前

急成長の可能性秘めるベトナムサッカー 。投資ファンド参入、2人のマンUレジェンドも支援

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami

チームにプロ化の意思無し。Jクラブとの関係も

 提携先には、韓国2部釜山アイパーク、J1ガンバ大阪などがあり、2016年にはガンバ大阪アカデミーの町中大輔コーチが1年間、U-15チームの監督として派遣されていた。

 因みに、筆者はこれまでに、ガンバ大阪と川崎フロンターレの下部組織がベトナム遠征した際にPVFとの親善試合を取材しているが、PVFが大差で勝利するのを幾度となく目の当たりにしている。

 PVFでは、2009年に入学した1期生が既に卒業して、ベトナムプロリーグの舞台で活躍中。年代別の代表にも大勢の選手が選ばれており、ベトナムが初出場した今年5月のU-20ワールドカップのメンバーにも数名の卒業生が選出されていた。

 最年長のU-21チームは、国内3部リーグにも参戦中。2016シーズンは優勝して、2部昇格権を得たが、非営利目的のPVFは、チームとしてプロ化する意思がなく、昇格を辞退している。

 全国セレクションで優秀な児童を集めて英才教育を施すPVFは、この10年間、南部ホーチミン市の郊外にあるタンロン・スポーツセンターを拠点としてきたが、このほど施設のレンタル期間が終了したことを受け、北部フンイエン省への全面移転を決定した。

 移転先では、3000万ドル(約34億円)を投じて、自前の新センターを建設。PVFは、長期的な目標として、2030年のワールドカップ出場を掲げており、アカデミーから優秀なベトナム人選手を多数輩出し、ベトナムサッカー全体のレベルを底上げしたい考えだ。

 今回の移転を機に、次なるステップに進もうとするPVFは、技術だけでなく、十分な教養も併せ持つ国際人を育てるべく、サッカーの本場イギリスから、指導者やマネジメント、医療スタッフなどの分野に多くの専門家を招聘。この目玉が前述したライアン・ギグス氏のアカデミーダイレクター就任というわけだ。

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