ベトナム不動産最大手が投資するアジアトップのアカデミー
ベトナムの不動産最大手ビングループと聞いて、ピンとくる日本人が果たしてどれだけいるだろうか。国際的な知名度はまだまだかもしれないが、ベトナム国内では、知らぬ者はいない国内最大の企業グループである。
会長のファム・ニャット・ブオン氏は、資産総額48億ドル(約5380億円)で、世界の長者番付にも名前が挙がる大富豪。因みに、同じく不動産王と呼ばれるドナルド・トランプ米国大統領の資産総額は31億ドル(約3470億円)で、ブオン会長の方が上回っている。
そのビングループが出資しているサッカーアカデミー「ベトナムサッカー選手才能開発投資ファンド(PROMOTION FUND VIETNAMESE FOOTBALL TALENTS、略称PVF)」が11月20日に、北部フンイエン省に新センターをオープンした。
広大な敷地に、最新設備を備えたアジアトップクラスのアカデミーだが、最も注目されているのは、超大物のアカデミーダイレクター。8か月に及ぶ交渉の末に就任が決まったという、マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド、ライアン・ギグス氏の存在だ。
ここで少しPVFの歴史について簡単に紹介しておこう。PVFは、2008年末に設立された育成特化型のアカデミー。近年のアンダー世代選手権では、優勝争いの常連となっており、ホアン・アイン・ザライ(HAGL)、ベトテルと並ぶベトナム3大アカデミーに数えられるが、獲得タイトル数では、他を凌駕しているため、国内最強アカデミーといっても差し支えないだろう。
頻繁にアジアやヨーロッパへの遠征を実施するとともに、国外クラブのベトナム遠征時には、積極的に親善試合を受け入れており、選手たちは若くして豊富な国際経験を積むことができる。