故障者続出による影響も。内容振るわなかったユベントス
イタリア代表がロシアW杯出場を逃し、せめてクラブレベルでの汚名返上をと、イタリアのサッカーファンは願っている。そんな中、今季のUEFAチャンピオンズリーグには久々に3クラブがグループステージに進出。ただ決勝トーナメントに駒を進めたのは、昨季同様2クラブとなった。
内容の良くない試合の続いたユベントスだが、2位通過は確保。昨季はグループ1位通過を決めたナポリは敗退した。その一方で、チェルシーとアトレティコ・マドリーと同組になったローマが1位通過を決めるサプライズを演出した。停滞か低迷か、あるいは復権の兆しなのか。グループリーグにおけるイタリア勢の闘いぶりを総括してみたい。
まずはユベントス。バルセロナと同組になり2位通過という成績は、十分想定内のものだと言える。ただ昨季はそのバルサを準々決勝で下し、最終的に決勝まで進出したクラブとしては、戦績もパフォーマンスも若干物足りなかった感は否めない。
特に開幕節では、カンプ・ノウの直接対決で0-3と大敗。昨季の課題となった層の薄さを積極補強でクリアしたはずなのに、結果に繋がらない。その試合では故障者が続出という事情もあったとはいえ、メディアは批判しファンはため息を吐いた。
ただ内容面での苦戦は、オリンピアコス、スポルティング・リスボンと続いていくことになる。それも開幕節と文脈は同じで、新戦力を巻き込んだサッカーの構築に時間が掛かったのである。昨季のチームからはダニ・アウベスにレオナルド・ボヌッチと戦術上重要な駒が2つ抜け、その穴埋めというのがまず一つの課題。
そしてもう一つは、マッシミリアーノ・アッレグリ監督が戦術そのものにも若干手を加えていたということだ。アンドレア・バルザーリを右サイドバックに置き、試合中に3バックと4バックを臨機応変に使い分けるものではなく、右にも上下動の効くサイドバックを置いてより攻撃的に闘うというものだ。
だがマッティア・デ・シーリオの故障離脱がたたったのに加え、新戦術の要として期待していたドゥグラス・コスタもフィットに時間が掛かる。ポゼッションを高めて攻撃はするも相手を崩せず、一方でカウンターは食らって失点もそこそこ多いという、昨季の堅実さが失われた状態になった。