ハリルJではMFとして。本職での勝負
欧州組で日本代表キャプテンの長谷部誠(フランクフルト)も8月のオーストラリア戦(埼玉)でロシア切符をつかんだた後、「自分は今ちゃん(今野)とポジションを争うことになるかもしれない」とコメント。1つ年上の今野へのリスペクトの念を改めて示していた。
今野がユーティリティ性の高い選手であるがゆえに、岡田武史(FC今治代表)、アルベルト・ザッケローニといった過去の代表指揮官もセンターバックやサイドバックなどさまざまなポジションで起用してきたが、本職のボランチで勝負していたら、彼の才能はもっと大きく開花していた可能性も少なくない。この事実をよく理解しているからこそ、長谷部はそんな発言をしたのかもしれない。
「今回はたぶんボランチですね」と今野自身も言うように、E-1選手権ではガンバ大阪の後輩・井手口陽介とのコンビで中盤をコントロールすることになる。そこでUAE戦を超えるスーパーな働きを見せれば、3度目のワールドカップへの道は確実に開けてくる。
長谷部の右ひざの状態が芳しくなく、ロシアでフル稼働できる保証はないことを考えても、今の日本代表に今野は必要だ。ハリルホジッチ監督もその確証を得たいから、彼を呼び戻したはずだ。そんな指揮官の求める仕事ができるか否か。今野は2005年から積み上げてきた代表キャリアの全てを注ぐべき時に来ている。
「監督の要求に応えられる選手が今後、残っていくと思うし、この大会はそこのアピール合戦。自分は自分のやるべきことをやるだけだし、先のことは見ずに今やれることをやろうと思ってます」と目の前のプレーに集中しようとしている今野。
数々の修羅場を潜り抜けてきたタフな男の底力を示して、2大会ぶりのE-1選手権制覇をぜひとも勝ち取ってほしいものだ。
(取材・文:元川悦子)
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