国際Aマッチ90試合出場4得点という卓越した経験値
12月9日の北朝鮮戦(東京・味スタ)からスタートする2017年E-1選手権。日本代表は事前合宿3日目となる6日、夕方から都内で練習にのぞんだが、左肋骨骨折と左足首痛により杉本健勇(C大阪)が正式に離脱。23人でトレーニングを実施した。
前夜のJリーグアウォーズで柔和な表情を浮かべていたヴァイッド・ハリルホジッチ監督だが、瞬く間に本来の鬼軍曹に戻っていた。真冬の寒さの中、行われたこの日の冒頭ミーティングは何と17分間。体脂肪率12%を超えていた選手が何人かいたことから、「ワールドカップを戦うなら落とさないといけない。ネイマール(PSG)を追いかけないといけないんだ」と身振り手振りで苦言を呈し続けた。
その後、非公開練習に突入したが、キャプテンマークを巻く可能性が高いと見られた清武弘嗣(C大阪)が頭を強打し、病院に検査に行くアクシデントが発生。自力で歩ける状態で軽度と見られるが、大会出場の可否は分からない。ケガで出場不可能となった山口蛍(C大阪)、西大伍(鹿島)、杉本に続く負傷者に指揮官も頭を痛めているはずだ。
国際Aマッチ43試合出場5得点の清武が仮にピッチに立てないとなると、10試合以上の出場実績を持つのは金崎夢生(鹿島)と今野泰幸(G大阪)の2人だけになってしまう。だからこそ、同90試合出場4得点という卓越した経験値を誇る今野の存在が一段と大きくなる。
2010年南アフリカ、2014年ブラジルと2度のワールドカップに参戦し、東アジアカップも2005年韓国、2008年中国、2010年日本の3回戦っている34歳のMFは、ピッチにいるだけで周りを落ち着かせられる。彼のもたらす安定感と安心感は今大会を戦う日本にとって不可欠だ。