「あれを首で持っていける日本人はなかなかいない」(中村俊輔)
川又が奪った14ゴールのうち、スルーパスに反応したものと右クロスのヘッドが特に多かった。前者は、名波監督が求めた動き出しを実践してきた証明だろう。そして、後者の形も川又の大きな武器である。
第8節・鹿島アントラーズ戦、磐田はディフェンディングチャンピオンを3-0で下している。この試合で川又は右サイドからのクロスを頭で叩き込んだ。「上で待てていたあのヘディングシュートはワールドクラス」と名波監督も絶賛する一撃だった。
第16節・FC東京戦では川辺のクロスを、打点の高いヘッドで合わせた。さらに第23節・C大阪戦でも、川又は右からのボールに強さを見せた。中村俊輔のショートコーナーを川辺駿が丁寧に戻すと、10番が中へ送ったボールに川又が反応。後ろに下がりながらの難しい体勢だったが、頭で決めた。「あれを首で持っていける日本人はなかなかいない。彼の良さが出たと思う」と、中村俊輔は振り返った。当の川又はこう述べている。
「一回前に入って斜め後ろにジャンプしてからだったので、正直よく決めたなと思う。シュンさんの左足っていうのもあって、ボールの回転がゴール向きだったから(シュートが)飛びやすかった。逆の回転だったらあそこまで飛んでいなかったかもしれない。シュンさんはわざと緩いボールを入れているから、それに反応できたのも良かった」