3ヶ月の長期離脱を経て。ハリルも認める技術は錆つかず
「ケガをしない工夫はしました。食トレもしたし、トレーニングも増やしてるし、サプリメントも取るし、佑都(長友=インテル)がヨガをやり始めた頃には自分も取り入れました。ホントにいろいろやりましたけど、ケガをする時はする。それはしょうがない」と本人は言うものの、苦悩の日々を強いられたのは間違いない。
とりわけ、6月末のベガルタ仙台戦で左ハムストリング筋損傷の重傷を負って3ヶ月もの長期離脱をした際には、セレッソの快進撃、そして日本代表のロシア行き切符獲得を遠くから見るしかない辛さを嫌と言うほど味わったことだろう。
9月中旬にようやくピッチに戻り、11月4日にセレッソのYBCルヴァンカップ制覇にも貢献したが、ハリルホジッチ監督からお呼びはかからなかった。11月のブラジル(リール)&ベルギー(ブリュッセル)2連戦の日本代表メンバーにも復帰できず、本田圭佑(パチューカ)、岡崎慎司(レスター)、香川の「ビッグ3」とともに、清武もロシア行きの可能性が断たれてしまうのではないかという危惧さえ高まった。
それでも、本人は焦らず地道に公式戦出場を重ね、パフォーマンスを徐々に取り戻していった。その確かな前進をボスニア人指揮官も認めたからこそ、今回のE-1に満を持して呼び戻したのだろう。メンバー発表会見では「現在見せているプレーよりも、さらに高いものをみせないといけない」と容赦ない要求を突きつけられたが、それを一番よく分かっているのが清武自身である。2014~2016年に2シーズン過ごしたハノーファーで10番をつけて躍動し、セビージャでも半年と短いながらも世界トップクラスの面々と互角に渡り合った高度な経験値を遺憾なく発揮するのは、まさに今なのだ。
コロンビア、セネガル、ポーランドという格上揃いのH組に入った日本代表がロシアで大躍進を遂げるよう思うなら、中盤の軸を担うのは、やはりデュエルに強くハードワークのできる山口蛍(C大阪)や井手口陽介(G大阪)、長澤和輝(浦和)のようなタイプの選手たちだろう。