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Jリーグ 7年前

阿部浩之&家長昭博という川崎Fの+α。優勝に多大な貢献、勝負強さ発揮した新戦力

text by 藤江直人 photo by Getty Images

勇気とパワーを与えたに違いない先制ゴール

川崎フロンターレのMF阿部浩之。今季から川崎Fでプレーし、最終節では先制ゴールを奪った
川崎フロンターレのMF阿部浩之。今季から川崎Fでプレーし、最終節では先制ゴールを奪った【写真:Getty Images】

 阿部と家長。前人未踏の3年連続得点王を獲得したFW大久保嘉人がFC東京に移籍し、約4年半にわたって独特のパスサッカーを掲げてきた風間八宏監督(現名古屋グランパス監督)も退団。鬼木達監督がコーチから昇格した、新生フロンターレに加わった新戦力だ。

 もっとも、フロンターレに確固たる土台があった分だけ、フィットするのに時間がかかった。たとえば阿部。試合後のヒーローインタビューで「ようやく馴染めました」と絶叫し、等々力陸上競技場の爆笑を誘ったのは、ゴールデンウイーク中に行われたアルビレックス新潟戦だった。

 生まれも育ちも関西で、明るく陽気な性格の阿部にとって半分は受け狙いで、半分は本気だった。流れるような連係から小林のゴールをアシストした後半5分のプレーに、痺れるものを感じたのか。試合後の取材エリアでは、こんな言葉を残している。

「フロンターレらしいゴールだと自分のなかで思えたのが、悠君の2点目が初めてだったので。その意味で馴染めたかなと」

 言葉通りに、以降は水を得た魚のように攻撃陣のなかで躍動。ガンバ大阪時代には年間7ゴールが最高だった男が、28回目の誕生日だった7月5日の浦和レッズ戦で、キャリアハイとなる8ゴール目をゲット。そして、最終節でも開始わずか47秒で大仕事をやってのけた。

 右サイドからドリブルで切れ込んできたエウシーニョからパスを受けると、落ち着き払った体勢から左足を一閃。強烈な弾道でアルディージャのゴールを撃ち抜いいた。

 8月13日の鹿島アントラーズ戦以来となる一発で、ゴール数もついに二桁に乗せた。奇跡の逆転優勝を遂げるには、まず目の前のアルディージャに勝たないことには始まらない。それだけに、開始直後の先制点はフロンターレに勇気とパワーを与えたはずだ。

「自信もあったので、思い切って打ちました。それがチームを勢いづけることにもなったので、本当によかったのかなと。川崎にとっての初タイトルに貢献できたことは非常に価値があるし、僕自身もチャレンジするためにここへ来たので、その意味ではしっかり成長できたと思う」

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